Aqaraといえばスマートホーム好きの間で人気のメーカーですが、その中でも今回手元にやってきた「Aqara スマートカメラ G3ハブ」は、少し毛色の違う1台です。
猫耳のようなフォルムは可愛らしく、リビングや寝室に置いても圧迫感がありません。ですが中身はAqaraならでは、2K画質のネットワークカメラ・Zigbee 3.0ハブ・赤外線スマートリモコンの3役を1台でこなす超高機能モデル。
Matter対応でHomeKit・Alexa・Google Homeすべてに対応しており、見守りカメラとペットカメラ、家電のリモコン操作まで、様々な用途をこれ1台でカバーできます。
本記事では、開封からセットアップ、実際の使用感、他社製ネットワークカメラとの違いまで、実機レビューとしてじっくりお伝えします。

- 付属のケーブルが長くUSB-Cポートで設置等の柔軟性が高い
- 珍しく赤外線リモコン機能まで内蔵、遠隔操作した家電の監視もできる
- 映像の解像度も高く投影範囲も広い、遅延も比較的少ない
- AI認証の精度が比較的高く追尾もしっかりできる
- スマートホーム連携が抜群によく統合管理できる(Matter,アプリ)
- 高機能な分使いこなすには設定が多い(個々の設定は簡単)
- 相場より値段がやや高め(その分高機能)
Aqara Camera Hub G3とは|1台3役のオールインワンカメラ

Aqara Camera Hub G3(型番:CH-H03)は、Aqaraが展開するスマートホーム機器のフラッグシップに近いポジションのネットワークカメラです。
猫耳のように見えるシルエットは、玄関や子ども部屋に置いてもインテリアの雰囲気を壊さない柔らかい印象。
一般的なネットワークカメラにありがちな「監視機器っぽさ」がなく、ペットカメラやベビーモニターとしても使いやすいデザインです。
最大の特徴は、カメラ・Zigbee 3.0ハブ・赤外線リモコンを1台に統合した「オールインワン」設計。
これまでスマートホームを構築しようとすると、カメラ・センサー類のハブ・スマートリモコンと複数の機器が必要でしたが、G3だけで一通り揃ってしまいます。
配線や設置スペースが減るだけでなく、Aqaraアプリで全デバイスを単一画面から管理できるのは想像以上に快適です。
スペック|2K画質・Matter対応・Zigbeeハブ機能まで一通り
まずは仕様を表で整理します。実機を触りながら気付いた特徴は、表の下に追記しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Aqara スマートカメラ G3ハブ(Camera Hub G3) |
| 型番 | CH-H03 |
| 解像度 | 2K(2304×1296px) |
| 画角 | 110度広角レンズ |
| 可動範囲 | 水平270度 / 垂直45度(最大340度の視野) |
| サイズ | 約123.4×85.1×67.8mm |
| 消費電力 | 最大10W |
| Wi-Fi | 2.4GHz / 5GHz デュアルバンド対応(IEEE 802.11 a/b/g/n/ac、WPA3) |
| ハブ機能 | Zigbee 3.0(最大128台のAqaraデバイス)/赤外線リモコン内蔵 |
| 対応プラットフォーム | Apple HomeKit(HomeKit Secure Video対応)/Amazon Alexa/Google Home/Matter |
| 外部ストレージ | microSDカード(最大128GB、別売) |
| その他 | 双方向通話、赤外線ナイトビジョン、AI顔検出・人物追跡・ペット追跡、ジェスチャーコマンド |
5GHz帯にも対応しているのはポイントです。低価格帯のネットワークカメラは2.4GHzのみのものも多く、自宅のWi-Fi環境によっては映像が安定しないことがあります。
加えて、Aqara Camera Hub G3は赤外線リモコン(スマートリモコン)の機能も有していますが、実はそのスマートリモコンに5GHz帯対応のものは市場にほとんどないのです。実質的に2.4GHz、5GHzのデュアルバンドに対応したスマートリモコンとして隠れメリットであります。
このように、G3はデュアルバンドなので、混雑しがちな2.4GHz帯を避けて使えるのも安心材料です。

背面はスピーカーグリルとUSB-C給電ポートのシンプルな構成です。USB-C給電なので、付属ケーブルだけでなくスマホ用の手持ちケーブルでも代用しやすいのがありがたいところ。
付属ケーブルも200cmと長めに用意されており、コンセント位置に縛られず棚の上やテレビ脇など、好きな位置に設置できます。

セットアップ|Aqaraアプリ→Alexa→HomeKitまで一気通貫
初期セットアップは、Aqara HomeアプリをiPhoneにインストールしてからスタートします。
様々な接続ができる分、実際にカメラとして利用するまでの設定項目が多いのがネックではありますが、手順自体はシンプルで、迷うところがほとんどありません。
Aqaraアプリでデバイスを追加
Aqaraアプリを起動して「デバイスを追加」から「カメラハブ G3」を選びます。ハブ類・センサー類・防犯カメラと、Aqara製品はカテゴリ別に整理されているので、製品ラインアップが多くても迷いません。


ペアリングモードに入ったら、アプリ画面に表示されるQRコードを本体カメラに直接かざして読み取らせます。
Bluetooth経由のペアリングと違って、カメラがQRコードを認識する独自方式です。実際に試したところ、距離15cmほどでサッと読み取ってくれて、認識精度もかなり高め。「うまく読み取れずやり直し」という煩わしさはありませんでした。


- Wi-Fiは2.4GHz / 5GHzの両対応。設置先のWi-Fi環境に合わせて選べる
- QRコードはカメラに直接読み取らせる方式。スマホの音声と画面表示で進行を案内してくれるので失敗しにくい
- Aqaraアカウントを作る画面で、メールアドレス・パスワードの入力が必要
Alexa・HomeKitへの自動連携
カメラがWi-Fiに接続されると、デバイス情報の入力画面に進みます。
デバイス名と設置場所を決めるだけで、Alexaアカウントにすでにログインしていれば自動的にAqara HomeスキルがAlexaに連携されます。


Aqaraデバイスを初めてAlexaへ登録する場合は、以下の手順で連携します。
- Aqaraアプリのデバイス設定からMatterペアリングコードを発行。
- Alexaアプリを開き、「デバイス」>「+」>「デバイスを追加」>「Matter」の順に進み、コードをスキャン。
続いてHomeKit連携の案内が出てきます。「今すぐ連携」を選べば、Apple Homeアプリにもブリッジとして登録されます。
Aqara Hub経由で接続している子デバイス(センサーや開閉センサーなど)も、まとめてApple Homeで操作できるのが便利です。







Appleホーム側でも、カメラとして登録するフローが進みます。
アクセサリ追加→カメラの名前→カメラの詳細と、必要な情報を順番に入力していくだけ。






これで設定完了。Appleホームアプリで、普段お使いのiPhoneやiPadからそのままライブ映像を確認・録画できるようになるのが大きな魅力です。

もう一つ便利だったのが、Matter経由でAlexa側からも独立してペアリングできる点です。
AqaraアプリからMatterのペアリングコードをコピーすれば、Alexaアプリの「デバイスを追加」から数字コードを入力するだけで接続が完了します。
Matter非対応デバイスの場合、デバイスを検出する工程があることで、「アプリ側で見つからない」「スキル連携が失敗する」といったエラーも多いのですが、Matterコードで紐づけられることによって、本製品はスムーズに連携できました。






レビュー|実際に1ヶ月使って感じた魅力
セットアップが終わったところで、実際に1ヶ月ほどリビングに設置して使った感想をまとめます。
スマートカメラとしての画質や追尾性能はもちろん、Zigbeeハブ・赤外線リモコンとしての使い勝手、Aqara製品ならではの統合管理という観点でも見どころが多い1台でした。

映像の解像度が高く、遅延も少ない
2K(2304×1296px)の解像度はネットワークカメラとしては十分すぎるほど。
細部までクッキリ映るので、ペットの様子や家電の細かい操作確認にも使えることでしょう。
室内の照明環境によってはやや色彩に欠ける印象ではありますが、見守り用途で困るレベルではありません。

遅延についても、Wi-Fi環境がそこそこ安定していれば1〜2秒以内におさまる印象。以前使っていた格安帯のネットワークカメラだと実際の動作〜映像反映に3秒かかることもあったのですが、本製品はレスポンスがよいです。
ライブ画面はPTZ(パンチルドズーム)(※)操作・スクリーンショット・録画・双方向通話・一時停止など一通り揃っており、高機能で操作もしやすいです。


パンチルトズームとは、以下の意味です。
- パン (Pan): カメラを水平方向(左右)に回転させ、周囲を見渡す。
- チルト (Tilt): カメラを垂直方向(上下)に傾け、カメラの視野角を上下に動かす。
- ズーム (Zoom): レンズを望遠/広角に調整し、被写体を拡大・縮小表示する。
顔認識・人物追尾の精度が想像以上に高い
AI機能のうち、実際に使ってみて思いの外良いなと感じたのは、人物追跡(人物追尾)です。
視野内に人が入ると、本体ごとパンチルトが動いて顔の位置に合わせて追尾します。動きがそこまでカクつかず、自然なカーブで追ってくれるので、動きが滑らかです。


逆に人物がいる状態で、「動物追跡」にしてみたところ、人物には反応しませんでした。このことからきちんと人間と動物で区別がついていることがわかり、誤通知でアプリが煩わしくなる心配は少なそうです。

視野は110度の広角レンズ+本体パンチルトの組み合わせで、最大340度をカバー。
回転させなくても、設置位置からおおよそ横幅2.3mほどを見渡すことができたので、6畳〜10畳程度のリビングなら1台でほぼ死角がありません。
「もう1台買い足さなくても良さそう」と思えるカバー範囲は、コスパ的にも嬉しいポイントです。


双方向通話・タイムライン録画でペットも見守りも安心
双方向通話機能も実用レベル。家にいる家族やペットに、スマホから声をかけられます。マイクとスピーカーの音質は本格的なスピーカーと比較すると劣りますが、ビデオ通話アプリ並みで、お互いの声がしっかり伝わる印象。
留守中に家族へすぐに声をかけるといったこともできます。

録画はクラウド録画とmicroSDカードによるローカル録画に対応。
タイムライン画面からは過去のイベント(人物検知・動物検知・音声検知など)を時系列で確認でき、「19:01:50に人間が認識」のようにイベントとサムネイルが並ぶUIも良いです。
後から「あの時何が起きていたか」を遡って確認しやすい設計になっています。


さらに、AI動画要約・AI動画検索といったプレミアム機能(HomeGuardian加入で利用可)もあり、「キーワードを入力して該当の動画だけを呼び出す」「動画のワンセンテンスサマリーを自動生成する」といった、最近のAI時代らしい機能も搭載されています。
普段は無料機能だけでも十分ですが、長期間の録画を効率よく振り返りたい場合には心強い選択肢です。




スマートホームが1台で完結する超高機能|赤外線リモコンまで内蔵
Aqara Camera Hub G3の大きな特徴は、ネットワークカメラにもかかわらず赤外線リモコン(スマートリモコン)機能を内蔵していること。
カメラの位置から赤外線が飛ぶので、リビングのエアコンやテレビをスマホからそのまま遠隔操作できます。




ネットワークカメラとスマートリモコンを複数台置かなくても良いという設置スペースや配線が少なくなることが代表的なメリットですが、筆者として一押しなのが遠隔操作した際に家電の実際の稼働確認もできることです。
外出先などからスマートリモコンで遠隔操作した家電は、本当に家電がオン・オフになっているのか確認することが難しいのですが、そもそもカメラである本製品では、実際の映像で家電がオンオフされているかを黙示確認することができます。
しかも、先述の通りパンチルトズーム対応しており、カメラの解像度も高いため、部屋の上部端にあるエアコンの電源がついているか、といったところまで確認可能なのが嬉しいポイントです。

ユニークな機能として、カメラに向かって行うジェスチャーコマンドといったものもあります。
手を上げる・特定のサインを出すなどのジェスチャーをトリガーに、シーン(家電のまとめ操作)を実行できる仕組み。リモコンが手元になくてもカメラに向かって合図するだけで照明やエアコンが動くのは、ちょっと未来感があります。
ネットワークカメラに赤外線リモコン機能まで載せてしまう発想は、他のスマートカメラのメーカーではなかなか見かけません。
しかも本製品は初期設定で述べた通り、デュアルバンド(2.4GHz・5GHz)対応している貴重なスマートリモコンともいえます。
デバイスがゴチャつくのが嫌な人にとっては、ハブ・カメラ・スマートリモコンを1台にまとめられる時点で、リビングのスッキリ度がかなり違って見えます。
スマートホーム連携が抜群|Aqaraエコシステムが強い
Aqara製品の真骨頂は、1つのアプリで多彩なセンサー類・スイッチ類を一括管理できるエコシステムにあります。
Camera Hub G3はZigbee 3.0ハブとしても機能するので、Aqaraの開閉センサー・温湿度計・スマートボタンなどを最大128台まで連携することが可能です。

ダッシュボード画面を開くと、カメラのライブ映像、温湿度計、開閉センサー、ボタン、振動センサーなどが1画面に集約され、家全体の状態がひと目でわかります。
シーン設定(オートメーション)もアプリ内で完結し、「夜10時に玄関の開閉センサーが反応したら、カメラを録画+通知」のような自動化を、別アプリを行き来せずに作れます。

HomeKit・Alexa・Google Homeすべてにフル対応している点も非常に強力。Echo Showシリーズのようなディスプレイ付きスマートディスプレイから「アレクサ、リビングのカメラを見せて」と話しかけるだけで、別室で家事をしながらサッと映像を確認できます。
別室のスマートディスプレイで子ども部屋の様子を見守る、といった使い方もスムーズに実現できるのは大きな魅力です。



過去に他社のスマートカメラ(同価格帯のWi-Fiカメラ)も数機種使ってきましたが、「アプリ・センサー・カメラ・スマートリモコンが1ベンダーで完結する」という統合度の高さは、なかなか他社では出せない強みです。
Aqara製の他デバイスをすでに持っている人であれば、Camera Hub G3を中央に据えるだけで、いままで散らばっていた家電制御がきれいに整理されます。
インテリア的にも良く生活空間に自然に溶け込む逸品
ここまで機能的な特徴とそれを実際に利用した感想をまとめてきましたが、本製品を実際に利用した中での何よりの良さは「スッキリおける」ということです。
基本的にパンチルトズームで部屋のほとんどを見渡すことができるため、複数台のカメラを設置する必要もなく、赤外線リモコンも内蔵していることによって、スマートホーム化する際に個別に設置する必要もありません。(日本では家電を操作機構として赤外線が多く採用されているため、それに沿う製品です)
また、本体の外観も猫耳がついていて、ネットワークカメラにしては愛らしく柔らかなデザインであり、本体の付属品も200cmと比較的長いケーブルであることよって設置の柔軟性も比較的高いです。
加えて、Aqara Camera Hub G3には、「プライバシーモード」もあります。これを有効化するとカメラレンズ自体が隠れるので、物理的にみられていない安心感があります。見守り用途に使う場合、意外と「見られている」ことに対する不安やストレスもありますが、その面でのデメリットも避けられます。
個々の機能が優れているのは先述の通りですが、何よりこのインテリア面での良さ、生活空間に自然に溶け込む点が何よりのメリットでした。
オールインワンモデルな分値段は1万円を超える金額で比較的高額となりますが、総合的に見てそれに見合う価値のある製品です。
まとめ
Aqara Camera Hub G3を1ヶ月使ってみて感じたのは、「カメラ単体としての完成度」と「スマートホームのハブとしての完成度」が両立した、稀有なオールインワンモデルであるという点でした。
可愛らしい猫耳デザインに油断していると、中身は2K画質・340度視野・Matter対応・Zigbeeハブ・赤外線リモコン・AI追尾と、てんこ盛りの機能を詰め込んでいます。
他社のスマートカメラと比べても、HomeKit・Alexa・Google Home・Matterの4つすべてに対応しており、なおかつ赤外線リモコン機能を内蔵する製品はほとんどありません。
今後さらにMatter対応デバイスが増えていく中で、長く使えるハブを1台選びたいなら、Camera Hub G3は有力な選択肢になります。
- とにかく価格を抑えたい人(同価格帯にはより安いシンプルなWi-Fiカメラもある)
- microSDカードまでセットで揃った状態で買いたい人
- 屋外設置を検討している人(本機は屋内向け)
- カメラ単体で完結させたく、ハブ機能を使う予定がない人
- ペットや子どもの見守りカメラを探している人
- HomeKit・Alexa・Google Home いずれかをすでに使っている人
- すでにAqara製品を持っていて、Zigbeeハブ機能込みで1台にまとめたい人
- 赤外線リモコンとカメラを別々に置きたくない人
- Matter対応のスマートカメラに興味がある人
「ペットや家族の見守りもしたい」「家電操作もまとめたい」「Aqara製品を中心にスマートホームを組みたい」――このどれかに当てはまる人は、購入候補に加えて損のない1台です。猫耳デザインが気に入った人は、迷わずどうぞ。