リビングテック協会 -LIVING TECH ASSOCIATION JAPAN-

スマートホーム産業カオスマップ最新版

2025.08.22

▼スマートホーム産業カオスマップ(第3版)

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スマートホーム産業カオスマップ第3版のポイントと業界のトレンド

第3版では、既存カテゴリー14種と、のべ418社(前年比+18社)を掲載しております。ポイントは以下3点です。

①「Built in Developper(スマートホーム採用事業者)」の増加基調

国内での活性化を受け、第2版ではカオスマップ内に含んでいた「Built in Developper(スマートホーム導入事業者)」カテゴリーは別紙掲載することといたしました。

②セキュリティの更なる向上の動き

標準規格カテゴリーで2025年3月より運用が開始された「JC-STAR」(※1)を掲載しました。より安心してIoT製品を使える環境へと整備が進んでいます 。

③家電量販店エディオンのスマートホーム事業本格参入

2025年4月に家電量販店のエディオンがスマートホーム事業に本格参入(※2)しました。オリジナルアプリをリリースし、複数の家電を操作したりサポートをシームレスに行うことで、より消費者がスマート家電を安心して快適に使用できるよう後押ししています。

 その他、2025年の業界トレンドとしては、2025年6月20日に当協会とのマーケティング連携協定を締結したConnectivity Standards Allianceが策定するIoTのグローバル標準規格「Matter」について、新たにProHome & Building Initiative(※3)という、住宅や各種施設など「建物」へスマートホームを導入・設定・管理するための標準化の取り組みが発表されました。これは、まだ入居者がいない状態でスマートホームを設置・設定しておくことで入居したらすぐ使える状態にし、入居者の退去時には各種設定のリセットを行い次の入居者に備える、というプロセスを標準化するもの(※4)です。これにより、新築・リフォーム・賃貸など様々な住宅への導入の加速だけでなく、スマートホームの知識がない方や面倒な方向けの「設置設定サービス」が加速し、住宅実装が加速する可能性が生まれたと言えるでしょう。

 また、ユーザーのUX改善に向けた動きも見えてきました。Googleのプラットフォーム化(デバイスタイプの拡充)、AppleのMatter/スマートホームの取り組みもさらに強化されており、日本で人気のiPhoneのホームアプリの進化による消費者のスマートホーム体験向上の可能性が期待されます。

なお、カオスマップの掲載基準は、当協会のガイドラインに従って毎年見直しており、サービス提供が終了しているものや、終了のリリースはないものの実質稼働していないと判定できるサービス・企業は削除しております。

 本年度のカオスマップは、国土交通省が推進する、社会課題の解決や生活者の生活利便性向上、住宅の価値向上を目指す「次世代住宅プロジェクト」に関する8月22日に行われたイベント「次世代住宅シンポジウム2025夏」(日経BP総合研究所/日経アーキテクチュア主催)内にて発表いたしました。当日は住宅・不動産・建築業界に向けた情報提供と、プロジェクトの採択活性化によるスマート住宅の普及推進を目指し、特別会員として連携している不動産テック協会発行の「不動産テックカオスマップ(※5)」の最新版と合わせての発表となりました。

このカオスマップは、国土交通省の「次世代住宅プロジェクト」で採択される可能性のあるソリューションを掲載しており、今回のイベントでの発表は、特に住宅・不動産事業者やソリューション提供事業者がこのプロジェクトを活用し、カオスマップ内のカテゴリーである「スマート住宅」や「スマートホーム導入事業者」の拡大に貢献することを目的としています。また、「エネルギーマネジメント」領域では、国交省の「子育てグリーン住宅支援事業」(GX志向型住宅)」におけるスマートホーム関連製品の認定増加も2025年のトレンドと言えるでしょう。 

このイベントの模様は後日、「次世代住宅プロジェクト」公式サイト(https://project.nikkeibp.co.jp/jisedaij/)にて公開予定です。

掲載ガイドライン

掲載ロゴ・サービス名称・分類について

スマートホーム産業カオスマップ制作背景

 当協会は、参画企業であるX-HEMISTRYと共同で、2023年3月に国内初となる「スマートホーム産業カオスマップ」を公開しました。これは、スマートホーム先進国を参考にしながら、内閣府が推進する「Society5.0」の実現に寄与すべく、日本におけるスマートホーム市場の活性化を目的として制作しております。

 当協会が重要視する「ユーザーの暮らしや住環境全体で考える視点」に基づき、各カテゴリーを国内外を対比しながら包括的に捉え、ユーザーを中心とした暮らしを取り巻くソリューションをまとめています。また、近接業界との関連性・相関性が感じられるマップとし、社会課題の解決ソリューションとしての認知を広め、業界間の連携を促進させ、利便性、合理性の先にある「豊かな暮らし」の実現を目指しています。

 カオスマップは、当協会の参画企業でもあるスマートホームのプロ集団 X-HEMISTRYのCEOで、Connectivity Standards Alliance日本支部代表 新貝文将氏の監修のもと、同じく参画企業の株式会社プレイドで、ライフテックコーディネーターの織田未来氏、LIVING TECH協会事務局長/リノベる経営企画本部の長島功氏の計3名からなるカオスマップ制作委員会で制作いたしました。

アーカイブ

スマートホームカオスマップ第1版 2023.3.29
スマートホームカオスマップ第2版 2024.6.19