
スマートホームとは?できること・始め方を分かりやすく解説

「スマートホーム」という言葉を、知っている方も増えてきました。Amazonのセールなどで購入されている方もかなり増えてきたようです。
スマートスピーカーの登場以降、その存在が少しずつ身近なものになりつつあり、最近では多岐にわたる種類のデバイスが増えていたり、インテリア性のある製品も増えてきました。
スマートホームとは、家の中にある家電や設備をインターネットに接続し、連携させることで、日々の生活をより便利で快適にするための仕組みや、そうした住宅そのものを指します。これは、いわゆる「IoT(モノのインターネット)」という技術分野の一部です。
しかし、単に「インターネットにつながる」と言われても、具体的に何ができるのかイメージが湧かない方も多いかもしれません。
本記事では、スマートホームで実現できることや、その始め方について、筆者の経験も交えながら分かりやすく解説します。
目次
スマートホームでできること
自宅をスマートホーム化することで何ができるようになるのか、具体的な活用例をご紹介します。
スマートフォンをリモコン代わりに
多くのスマートホーム製品は、専用のスマートフォンアプリで設定や操作を行います。これにより、スマートフォンが家中のリモコン代わりとなり、複数のリモコンを一つに集約できるというメリットが生まれます。


単に操作できるだけでなく、製品によっては室内の温度や湿度といった環境情報をアプリ上で確認することも可能です。

家電や設備を遠隔操作
インターネットに接続されているため、外出先から自宅の家電や設備を操作できる点も大きな特長です。
例えば、外出先からロボット掃除機を動かして不在時に掃除を済ませたり、ペットカメラを通じて留守番中のペットの様子を確認したりできます。

応用的な使い方として、帰宅前にエアコンの電源を入れたり、対応機器があればお風呂のお湯張りを開始したりすることも可能です。

このように、場所を選ばずに自宅の機器を操作できる点は、スマートホームの大きなメリットの一つです。
声で家電を操作(音声操作)
スマートホームの導入を検討する多くの方が、この「家電の音声操作」に魅力を感じています。
スマートスピーカー(AIアシスタント搭載スピーカー)と連携させることで、手軽に音声操作を実現できます。
最大のメリットは、「ハンズフリー」で操作できる点です。例えば、料理中で手が離せない時や、リラックスしている時でも、声だけで照明やテレビ、エアコンなどを操作でき、非常に便利です。
家電や設備の自動化
「自動化」は、スマートホームが目指す一つの理想形と言えるでしょう。これは、ユーザーが都度操作しなくても、特定の条件に応じて家電や設備が自動で動作する仕組みのことです。
現状の技術では、AIが全てを全自動で最適化する段階には至っていませんが、各製品の設定を組み合わせることで、生活に合わせた自動化が可能です。
例えば、スマートフォンの位置情報を活用する「ジオフェンス」という機能を使えば、「自宅から離れたら照明とエアコンを自動でオフにし、自宅に近づいたらオンにする」といった設定ができます。これにより、消し忘れの防止や、帰宅時の快適な環境づくりに役立ちます。


スマートホームを実現する3つの方法
スマートホームのある生活は、どのように実現すればよいのでしょうか。ここでは、主な3つの方法をご紹介します。
1. スマートホームデバイスで既存の家電を操作

現在お使いの家電をそのまま活用しながら、スマートホーム化を実現する方法です。最も代表的なのが「スマートリモコン」というデバイスです。
スマートリモコンは、「インターネット経由で操作できる学習リモコン」と考えると分かりやすいでしょう。スマートフォンやスマートスピーカーからの指示を受け、赤外線リモコンの代わりに家電を操作します。
この方法には、以下のようなメリットがあります。
- 導入のメリット
- 複数のリモコンをスマートフォンに集約できる
- 外出先から家電を操作できる
- スマートスピーカーと連携し、音声操作が可能になる
Wi-Fiなどの通信機能を持たない家電でも、スマートリモコンを介すことでスマート化できます。
家電を買い替える必要がない点は、このアプローチにおける最大のメリットと言えるでしょう。
一方で、デバイスの数が増えると、設置場所の確保や配線が複雑になるという側面もあります。
2. スマート家電を導入

近年、IoT機能を標準搭載した「スマート家電」が数多く登場しています。
エアコンやオーブンレンジなどの調理家電だけでなく、冷蔵庫や洗濯機、プリンター、さらには給湯器のリモコンやキッチンのコンロなどの住宅設備もインターネットにつながるものが増えています。
例えば、AI機能を搭載したエアコンは、センサー情報や利用履歴を基に、室内環境を自動で最適化します。
また、ロボット掃除機の高機能モデルでは、マッピング機能により部屋を認識し、特定の部屋のみの掃除や進入禁止エリアの設定が可能です。


これらのスマート家電は、単体のデバイスでは難しかった高度な機能や、きめ細かな設定が可能です。家電の買い替えや、引っ越しで新たに家電を揃えるタイミングでは、スマート家電の導入も有力な選択肢となります。
また、「MANOMA」のように、必要な機器とサービスをパッケージで導入できるスマートホームサービスも選択肢の一つです。
3. IoT物件に住む

住宅設備自体がIoTに対応した、いわゆる「IoT物件」も増えています。こうした物件では、電子ドアロックや環境センサー、防犯カメラなどが最初から備わっており、入居後すぐにスマートホームの利便性を享受できます。

自身で機器を組み合わせる場合と比較して、特に「自動化」や「ホームセキュリティ」の面で、より高度で安定した制御が可能です。
例として、以下の企業で導入事例があります。
■三菱地所:HOMETACT
https://hometact.biz/cases
■アクセルラボ:SpaceCore
https://space-core.jp/casestudy
■LinkJapan:eLife
https://linkjapan.co.jp/category/review/elife
各社とも複数メーカーの危機を1アプリでまとめて操作することが可能で、メーカーごとのアプリのダウンロードや設定が不要で手軽にスマートホームを使うことが可能です。
提供会社によっては、様々な外部サービスと連携していて、オンライン診療ができたり、クリーニングや冷凍食品などの宅配サービスが利用できるものもあり、どんどんサービスがアップデートされ進化していきます。
補足:スマートハウス(HEMS)との違い スマートホームと似た言葉に「スマートハウス」があります。これは主に、HEMS(ヘムス/Home Energy Management System)という仕組みを用いて、エネルギー消費量を最適化することを目的とした住宅を指します。家電の遠隔操作も可能ですが、省エネに主眼を置いている点で、快適性や利便性の向上を目指すIoT中心のスマートホームとはアプローチが異なります。
スマートホームの始め方:目的別の導入例
これからスマートホームを始める第一歩として、まずは「スマートホームデバイス」を導入する方法がおすすめです。
- デバイス導入をおすすめする理由
- 家電を買い替えるより安価に始められる
- 小規模から始めやすい(スモールスタートに最適)
- 組み合わせ次第で高度な仕組みを構築できる
特に「スマートリモコン」と「スマートスピーカー」を組み合わせるだけで、テレビ・照明・エアコンといった赤外線リモコンで操作する主要な家電を手軽にスマート化できます。1万円程度の予算からでも、十分に便利な環境を構築することが可能です。
ここでは、目的別に必要なデバイスの構成例を解説します。
家事を効率化したい
- おすすめのデバイス
- スマートリモコン
- スマートライト
- 各種スマートロボット(カーテン開閉、スイッチ操作など)
エアコン・テレビ・照明を音声操作に対応させるだけでも、日常の細かな手間が削減されます。ハンズフリー操作や一括操作によって、家事の途中で手を止めたり、リモコンを探して移動したりする必要がなくなります。

これらの小さな時間短縮の積み重ねが、日々の生活における負担を大きく軽減します。
見守り・ホームセキュリティに活用したい
- おすすめのデバイス
- ネットワークカメラ
- スマートロック
- スマートプラグ
スマートホーム製品は、ご家族やペットの見守り、簡易的なホームセキュリティにも応用できます。専門のサービスは月額費用がかかることが多い一方、スマートホーム製品は初期費用のみで導入できるものが多く、比較的安価に始めることが可能です。
特にネットワークカメラは活用しやすく、設置するだけでスマートフォンからいつでも室内の様子を確認でき、動きを検知した際に通知を受け取ることもできます。

また、スマートロックの施錠・解錠履歴の確認や、スマートプラグの電力使用量モニタリングなども、離れて暮らす家族のさりげない見守りにつながります。

エンターテインメント空間を充実させたい
- おすすめのデバイス
- セットトップボックス(Fire TVシリーズなど)
- スマートスピーカー
- スマートライト
スマートホームは、エンターテインメント体験をより豊かにします。スマートスピーカーでの音楽再生はもちろん、複数のスピーカーで同時に音楽を流す「マルチルームミュージック」や、対応機器を連携させた「ホームシアター」機能も楽しめます。

一例として、Echo Studioを2台とFire TV Cubeを組み合わせることで、迫力のあるサウンドで映像コンテンツを楽しむホームシアター環境を構築できます。 近年の「おうち時間」の増加に伴い、こうしたエンターテインメント体験を向上させるスマートホーム製品への注目が高まっています。
インテリア性を向上させたい
- おすすめのデバイス
- スマートライト
- スマートディスプレイ
近年、デザイン性に優れたスマート製品が増えており、インテリアの一部として活用できます。この視点では、空間の雰囲気を自在に変えられる「スマートライト」や、デジタルフォトフレームとしても使える「スマートディスプレイ」がおすすめです。
筆者の自宅では、「Nanoleaf Elements」や「Atmoph Window 2」、「Echo Show 15」などを取り入れ、デザイン性の高い空間を演出しています。

このように、先進的な機能性とインテリアとしてのデザイン性を両立した製品も増えています。興味のある方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
おわりに
スマートホームを実現する方法は様々で、対応する家電やデバイスも豊富に揃っています。まずはご自身の目的やライフスタイルに合わせて、一つのデバイスからでも導入してみることで、その利便性を実感できるはずです。
本メディアでは、スマートホームに最適なデバイスや家電を多数紹介していますので、ぜひ他の記事も参考にされてみてください!