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Echo Popレビュー|シリーズ最安モデルながら高音質な一台。Alexaで広がるスマートな暮らし

2025.10.15

Echo Popレビュー|シリーズ最安モデルながら高音質な一台。Alexaで広がるスマートな暮らし

Echo Dotよりもさらに手頃な価格で登場した「Echo Pop」。

発売当初はその実力に注目が集まっていましたが、実際に使用してみると、良い意味で期待を裏切る高い性能を秘めていました。

本製品は、Alexa入門機として非常におすすめできる一台です。

Echo Popの大きな魅力は、その手頃な価格と愛らしいデザインにあります。Echo Dotを斜めにスライスしたような特徴的な形状は、インテリアとしても楽しめます。

しかし、Echoシリーズには既にエントリーモデルとしてEcho Dotが存在します。では、さらに低価格なEcho Popは、どのような点で魅力的なのでしょうか。

本記事では、Echo Dotとの比較も交えながら、Echo Popを詳しくレビューします。

Echo Popの総評

Echo Popは、インテリアに合わせやすいデザイン性と手頃な価格でありながら、多機能なAlexa対応スマートスピーカーとして様々な用途で利用できます。特筆すべきはその音質で、Echoシリーズの中では特に中音域の明瞭さが際立っていました。低音域においてはEcho Dotに譲る部分もありますが、一般的な音楽視聴には十分なクオリティです。複数台を使ったマルチルームミュージック用途にも最適で、音楽再生からスマートホーム、本の朗読や通話まで、幅広いシーンで活躍するコストパフォーマンスに優れた一台と言えるでしょう。

メリット

デメリット

外観とスペック

まず、Echo Popのスペックを見ていきましょう。

Echo Popは、定価5,980円からと、シリーズで最も手頃なモデルです。今後のAmazonセールなどでは、さらに魅力的な価格になることも期待できるでしょう。

カラーは4色展開で、インテリアに合わせて選べます。

Echo Popのカラー

筆者は、ティールグリーンを選択しました。外観をチェックしつつ、その仕様を見ていきます。

同梱品は、本体・電源・スタートアップガイド

片手で持てるコンパクトなサイズ感です。

本体はEcho Dotを斜めにスライスしたような形状

背面には操作ボタンが備わっています。後ろ向きについているため、ボタンの位置は少し確認しづらいですが、全体としてスッキリとしたデザイン性を重視した設計と言えるでしょう。

背面には操作ボタンが備わっている

ボタンは、音量アップ・マイクオフ・音量ダウンの3つが搭載されています。

従来のEcho Dotの一部モデルに搭載されていた3.5mmオーディオ出力端子はありません。

これは、第5世代Echo Dotも同様で、2023年発売のモデルからの仕様変更点です。そのため、本機をAlexaの受信機として利用し、別のスピーカーへ有線で音声出力するといった使い方はできません。

背面。オーディオケーブルは接続できません

電源を接続すると、上部のライトバーが光ります。このライトが通知などの役割を果たします。

電源を投入して、ライトバーが光った様子

Echo Dot with Clock(第5世代)と比較すると、サイズ感はほぼ同じです。Echo Popは特徴的な形状のため、奥行きが短く、より省スペースで設置できます。

Echo Dot with Clock(左)とEcho Pop(右)

レビュー

Echo Popを実際に利用した詳細なレビューをお届けします。

価格からは想像できないほどの高音質

Echo Popはその価格から、音質に対して大きな期待を寄せていない方もいるかもしれません。実際に、過去のEchoシリーズにはモデルによってスピーカー性能に差があり、近年ではEcho Dotの音質向上が著しかったため、本製品の位置づけに注目が集まっていました。

しかし、実際に楽曲を再生してみると、その音質の良さに驚かされます。

音楽再生中のEcho Pop

Echo Popは、解像感が適度に高く、クリアで素直なサウンドが特徴です。

特に中音域の表現力に優れており、ボーカル中心の楽曲では息遣いが感じられ、弦楽器の響きも心地よく再生します。

Echo Dot(第5世代)と比較試聴したところ、Echo Dotは中音域がややこもって聴こえるのに対し、Echo Popは明瞭な印象を受けました。

一方で、低音の迫力という点ではEcho Dotが優れています。それでもEcho Popは、価格を考慮すると非常に健闘していると言えるでしょう。

また、Alexaアプリにはイコライザー機能もあるため、Echo Popの低音が気になる方は、それで調節することも可能です。

Echo Dot 第5世代(左)とEcho Pop(右)で音質を比較

もちろん、高価なオーディオスピーカーと比較すれば、高音域がやや軽く感じられる側面はあります。

しかし、それを踏まえても、BGMなどを気軽に楽しむ「イージーリスニング」には最適で、オーディオに特別なこだわりがなければ十分に満足できるレベルです。

2台以上でのマルチルームミュージックがおすすめ

Echo Popは、複数台での利用もおすすめです。

中でもおすすめの活用法が「マルチルームミュージック」です。

これは、複数のEchoデバイスを各部屋に設置し、同じ音楽を同時に再生する機能です。

部屋を移動しても同じ音楽が流れているため、音楽体験が途切れることがありません。

Echo Popのスピーカーは少し上向きに設計されているため、床に直接置く設置方法も有効です。

コンパクトで手頃な価格なので、家具の隙間やサイドテーブルなど、様々な場所に気軽に設置できます。

4色のカラーバリエーションから、お部屋のインテリアに合わせて選べるのも嬉しいポイントです。

さらに、2台のEcho Popをペアリングして、ステレオ再生を楽しむことも可能です。

Echo PopはAmazon MusicのUltra HD再生や空間オーディオには対応していないため、その恩恵はEcho Studioなどの上位モデルには及びません。

それでも、ステレオ再生ならではの臨場感や音の広がりは十分に体験できました。

ステレオ再生で視聴してみましたが、音の広がりや臨場感が増します

一点、マイクの感度については、Echo Dotなどと比較すると若干低いと感じられる場面がありました。

通常の使用では問題ありませんが、テレビを視聴している際など、周囲が騒がしい環境ではAlexaの反応が鈍くなることがあります。

そのため、テレビのすぐ近くや、話しかける場所から離れすぎた位置への設置は、反応が鈍くなる可能性がある点にご留意ください。

本の朗読やスマートホーム機能も利用可能

Echo Popは、Alexaを活用して生活を便利にする様々な機能を利用できます。

特に、本の朗読やスマートホーム機能は非常に便利です。Echo Popを使えば、KindleやAudibleの書籍を音声で読み上げさせることができます。Kindleの本をオーディオブックのように楽しむことができ、就寝前やお子様への読み聞かせ、目が疲れた時などに役立ちます。

動画はEcho Dotですが、Echo Popでも同じことが可能

さらに、スマートホーム機能を活用すれば、対応するエアコンやテレビ、照明などを音声で操作できます。リモコンを探す手間がなくなり、どこからでも家電の操作が可能です。

なお、スマートホーム化を実現するには、スマートリモコンや、スマートプラグなど、対応した製品が別途必要です。初めての方には、ご自宅の赤外線リモコンを一括で管理できる「スマートリモコン」がおすすめです。

スマートリモコンなどと連携すれば、家電のハンズフリー操作が可能に
スマートリモコンなどと連携すると、家電もハンズフリーで操作可能

Echo Popは、これらの機能を駆使して、日々の暮らしをより豊かにしてくれます。

Amazonのサービスと連携して様々な用途で利用できる(Amazonプライム)

Amazon製のデバイスであるため、ショッピングやAmazonプライムといった豊富なサービスとスムーズに連携できる点が大きなメリットです。

例えば、音声でショッピングリストを作成したり、商品をAmazonのカートに追加したりできます。「アレクサ、〇〇を買い物かごに追加して」と話しかけるだけで、後からスマートフォンでじっくり比較検討するといった使い方が可能です。

「買い物リスト機能」から、直接Amazonのサイトに移動することも可能

また、Amazonのプライム会員であれば、追加料金なしで1億曲以上の楽曲をAmazon Music Prime(プライムミュージック)で楽しめます。

仮にプライム会員を解約したとしても、広告付きで無料で利用できる「Amazon Music Free」というサービスも提供されており、音楽を聴くための選択肢が用意されています。

Amazonが提供する優れたサービスを、Alexaを通じて手軽に楽しめるのがEchoシリーズの魅力です。

画面がないことによる成約

ディスプレイ付きのEcho Showシリーズと比較した場合、スピーカータイプのEcho Popには機能面にいくつかの制約があります。

特に、写真や動画を視覚的に楽しめない点は大きな違いです。

Echo Showシリーズでは、Amazon Photosをデジタルフォトフレームのように活用したり、写真のスライドショーと音楽を同時に楽しんだりすることが可能
Prime Videoだけでなく、YouTubeも視聴できます。

Amazonのサービスの中でも魅力的な「Amazon Photos」や「Prime Video」といったビジュアルコンテンツが利用できない点を、物足りなく感じるユーザーもいるかもしれません。

最も大きな違いは、情報を聴覚だけで受け取る点です。

音声で流れる情報は、聞き逃した場合に再度Alexaに話しかける必要があります。歌詞やニュースなど、文字で視覚的に確認できる方が、情報を把握しやすい場面もあります。

特に楽曲視聴の際に歌詞表示ができるのは大きい

Echo Popはシリーズ最安のエントリーモデルであるため、これは致し方ない部分です。

もし、手頃な価格でディスプレイ付きのモデルを希望する場合は、「Echo Show 5」が選択肢となるでしょう。

レビューまとめ

Echo Dotよりも手頃な価格のモデルとして登場したEcho Pop。当初はその実力が未知数な部分もありましたが、実際に使用して最も驚いたのは、価格からは想像できない音質の良さでした。

Amazonは、Echo Studioをはじめとして、スマートスピーカーとしての機能性に加え、音質にも注力する傾向があります。本記事でレビューした通り、数年前のエントリーモデルと比較して、音質は飛躍的に向上しています。

Echo Popは、Echoシリーズの中でも特に低音から高音までのバランスに優れたフラットな音質で、イコライザーを調整しなくても、オールジャンルの音楽を楽しめます。

加えて、インテリアに合わせやすいデザインとカラーバリエーション、スマートホームをはじめとするAlexaの多機能性も魅力です。

これまでAlexa入門機としてはEcho Dotが定番でしたが、今後はこのEcho Popも有力な選択肢となるでしょう。幅広いユーザーにおすすめできる、コストパフォーマンスに優れた製品です。