Matter対応のドアベルが少しずつ増えてきたなかで、Aqaraから登場した新フラッグシップが「ドアベルハブ G410」です。
175°の超広角カメラとミリ波レーダー、Matter/Threadハブ機能までひとつの本体に詰め込んだうえで、AlexaやHomeKitとも一通り連携できるという多機能な構成。
今回はマンション玄関に設置して、初期設定からスマートスピーカー連携、AI機能まで一通り使い込んでみました。
そんなAqaraドアベルハブG410をレビューします。

- 175°広角+2K画質で死角が少ない
- ミリ波レーダー+AIで誤検知が少ない
- Matter/Threadハブ機能を本体に内蔵
- HomeKit/Alexa/Google Homeに一通り対応
- 電池でも有線でも運用できる柔軟さ
- Echo Showへのライブ転送が不安定なことがある
- 集合住宅のオートロック越しでは活躍シーンが限定される
Aqara ドアベルハブ G410のスペック
まずはG410の主な仕様を整理しておきます。カメラ・スマートホームハブ・チャイムリピーターが3点セットになっており、玄関に置く屋外ユニットと、室内コンセントに挿すチャイム中継器を組み合わせて使います。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Aqara ドアベルハブ G410 |
| 型番 | G410 |
| 解像度 | 2K(HomeKitセキュアビデオ利用時は最大1200p) |
| 画角 | 175° 超広角/アスペクト比4:3 |
| ナイトビジョン | 赤外線対応 |
| 給電方式 | 単三電池×6本(最長約5ヶ月)/12〜24V AC・DC外部給電 |
| Wi-Fi | 2.4GHz/5GHz デュアルバンド |
| Zigbee/Thread | Zigbeeハブ+Threadボーダールーター内蔵 |
| Matter | Matterコントローラー/Matterブリッジ機能搭載 |
| 連携プラットフォーム | Apple HomeKit(セキュアビデオ対応)/Amazon Alexa/Google Home/SmartThings/Home Assistant |
| センサー | ミリ波レーダーセンサー(人物・滞留検知) |
| ストレージ | microSDカード最大512GB/HomeGuardianクラウド/HomeKit Secure Video |
| 付属チャイム | 音圧95dBスピーカー、USB-C給電 |
| サイズ | ドアベル 141.5 × 65 × 30.4 mm チャイム 65.2 × 65 × 28.4 mm |
| 参考価格 | 20,380円前後(執筆時点・販売店により変動) |
注目したいのは、本体だけでMatterコントローラーとThreadボーダールーターまで兼ねる点。
これまでのスマートホーム環境でハブを別途用意していた家庭であれば、玄関にG410を置くだけでZigbeeセンサーやMatter対応機器の中継役を担ってくれます。
セットアップは想像よりかなり手軽

追加購入なしで完結する内容です。
「ドアベル」と聞くと配線工事を想像しがちですが、G410は電池駆動と両面テープでも設置できます。
私はこの方法で取り付けしたので、10分程度で簡単に設置できました。
取付ガイドはアプリ内に4ステップで用意されており、図解付きで進められるのでマニュアルを開かなくても困りません。ドアベル本体は地面から1.4〜1.5mの高さ、チャイムリピーターは屋外ユニットから水平距離10m以内が推奨されます。




取付方法は強力両面テープと木ネジの2択。賃貸では両面テープ、戸建てでは木ネジ、と使い分けやすい設計です。
今回は集合住宅の金属製ドア横に粘着テープで設置しましたが、かなり強固に取り付けることが可能です。

なお、ネジ取り付けの場合は、壁に6mmの下穴をあけ、付属アンカーを差し込む形です。

チャイムリピーターはコンセントに直挿しできるアダプタ型ではなく、USB-Cケーブルで給電するスピーカーです。
ケーブルはあるものの、コンパクトで任意の場所へ設置しやすく電源の取り回しも良いです。

マンションの既存インターホンと並べても違和感が少ないシックな質感で、配線が見えないぶん戸建ての玄関でもすっきり収まります。
ベルボタンには青く光るLEDが入っており、夜間でも押すべき位置がひと目でわかります。来訪者がカメラに気づかないということも起きにくいです。
アプリのセットアップ
電池を装着して屋外ユニットを起動したところで、Aqara Homeアプリのダッシュボードに自動で検出されました。
筆者の場合は、すでに他のAqara製品を登録していたこともあり、手動で「+」から追加する必要すらなく、ポップアップが出てワンタップで登録に進めるのは地味ですが快適な体験でした。

続いてWi-Fiの選択へ。G410は2.4GHz/5GHzのデュアルバンドに対応しているので、最近の一般的なWi-Fi環境ならルーター側で帯域を切り替える必要はありません。
続けてMatterコントローラーを選択する画面が出てくるので、自宅で運用しているハブ(筆者環境ではAqara M3)を指定します。筆者はすでにAlexaへAqaraを登録していたので、このタイミングで自動的にAlexaとの連携も完了しました。


同一コントローラーグループ内のデバイスはローカル制御や自動化が可能になる
Aqaraデバイスを初めてAlexaへ登録する場合は、以下の手順で連携します。
- Aqaraアプリのデバイス設定からMatterペアリングコードを発行。
- Alexaアプリを開き、「デバイス」>「+」>「デバイスを追加」>「Matter」の順に進み、コードをスキャン。
このあたり非常にシームレスで使い勝手が良いです。
なお、Appleユーザーの方でApple HomeKitと連携したい場合は、Aqara Homeアプリの「サードパーティ連携」から進めます。


HomeKitに登録すると、iPhoneのホームAppにそのままドアベルとして表示されます。
ストリーミングと録画のタイミングを「在宅時/不在時」で切り替えられるので、家にいるときはストリーミングだけ、外出中は録画も行うといった運用がしやすい仕組みです。

実際に使って感じた良かったポイント
広角&高解像な映像でドア前を立体的に把握できる
映像の第一印象は「画角が広い」こと。
175°の超広角は来訪者の1人の顔と胴体がしっかりとフレームに収まるくらいの余裕があります。

2K解像度はスマホのライブ映像でもピリッとした輪郭で、夜間も赤外線ナイトビジョンが自動で立ち上がります。
映像のレスポンスは体感1秒未満の遅延で、問題なく応答もできますし、不審者の発見をすることもできるように思います。
スマート機能が目立つAqaraですが、そもそもドアホンとしての性能面が優秀でした。
スピーカー音質も必要十分・双方向通話機能も
マイクとスピーカーの音質も、屋外ドアベルとしては必要十分以上の聞き取りやすさでした。
双方向通話にはボイスチェンジャーも搭載。「オジさん」「ロボット」「ピエロ」の3種類で声色を変えて応答できるので、女性や子どもが留守番中に応対するときの安心材料になります。

このような形で通話もできるので、スマホからの操作や遠隔からの宅配応答にも利用することが可能です。
ミリ波レーダー+AIで誤検知が少ない
検知の主役はミリ波レーダー。これまで使っていた赤外線センサーのカメラだと、日射などで通知が多く飛ぶことがありましたが、G410では「ドアベル押下」「滞留検知」「顔認識」を独立してオン/オフできるうえ、レーダー側の精度がかなり高いことから、不要な通知が減った印象です。

タイムラインも見やすく、滞留/ドアベル/改ざん警報のイベントが時系列で並びます。あとから「あの時間帯、誰か来てた?」と振り返るのに便利です。

実際に通知がされる際も、iPhoneに通知が届くまでは、自宅Wi-Fi環境で2秒前後。タップでそのままライブ映像にジャンプするのでスムーズに映像を見ることができます。
また、アプリトップ画面(ダッシュボード)で、映像が見られるのも良い点です。


AI機能はAqara Homeに「AI動画検索」「AI動画要約」「顔認識」「ドアベルの鳴き声検出」「立ちこびり検知」「改ざん警報」などが揃います。
特に顔認識を有効にすると家族と来訪者を区別することができるのが良い点。

また、「プライバシーマスキングエリア」という機能もあり、マスキングエリアは映像のうち最大3か所をブロックし、エリア内ではイベントトリガーが発火しません。
誤検知のみならず、隣家の窓や、共用通路の特定部分を除外したい場合に役立ちます。

AqaraはネットワークカメラのCamera Hub G300を利用したときにも感じましたが、この辺りの被写体の認識・通知の振り分けが優秀です。
余計な通知が少なく実際に利用していてストレスが少ないです。
1台で4プラットフォーム連携+Matter/Threadハブも兼ねる
G410の大きなメリットは、初期設定の章でも述べた通り、連携の幅広さです。
Matter連携によって、Apple HomeKit/Amazon Alexa/Google Homeの主要なプラットフォームへ同時に接続でき、家族それぞれの好みのエコシステムから同じドアベルを呼び出せます。
さらに本体内にMatterコントローラーとスレッド(Thread)ボーダールーターを内蔵している点も大きな特徴です。
Aqaraシリーズや他社のMatter/Thread対応デバイスをG410経由で家庭ネットワークに取り込み、別途専用ハブを買わずに統合運用できます。


もうひとつ実用的なのが、AqaraシリーズZigbeeセンサーのハブ機能。温湿度計W100や開閉センサーといったAqara系Zigbeeデバイスを別ハブなしでG410に直接ペアリングできます。
玄関センサーの開閉とドアベル押下を組み合わせたり、といった連動オートメーションも一気通貫で組めます。


録画の保存先は3通りから選べる
映像の保存先はmicroSDカード/HomeGuardianクラウド/HomeKit Secure Videoの3択。それぞれの特徴をざっくり整理すると次の通りです。
| 保存先 | 料金 | 保存期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| microSDカード | 本体購入時に1回(最大512GB) | 容量次第(上書き) | ローカル保存。クラウドを使いたくない場合に |
| HomeGuardian(Aqara) | 月額799円〜/年額7,999円〜 | 最大90日 | AI機能のフル解放、家族での共有・通知が便利 |
| HomeKit Secure Video | iCloud+(200GB以上) | 最大10日 | Appleエコシステムで完結、E2E暗号化 |

普段使いだけならmicroSDで十分ですが、顔認識やAI動画要約をフル活用したい場合はHomeGuardian、Apple中心の運用ならHomeKit Secure Videoと選び分けるのがおすすめです。
気になったポイント
Echo Showとの相性に少し癖があった
導入前はEcho Show 5へドアベル映像を飛ばす運用にも期待していました。
実際にAlexaアプリで連携するところまでは難なく動くのですが、Echo Show側でライブ映像を呼び出すと「カメラに接続中」のまま映らなかったり、「プライバシーモードになっています」と表示されてしまうことが何度か起きました。

純正Ringシリーズと比べるとAlexaへのライブ映像連携は安定感がやや劣る印象です。
この点は固有の問題である可能性もあるため、もう少し利用していく中で注視したい部分ではありますが、スマホ側へは安定して映像が届くためまずスマホで応答する、Echo Showはサブモニター扱いにする、という割り切りが現実的なように感じました。
マンションのオートロック越しでは活躍しにくい
注意事項としてもうひとつ述べておきたいのが集合住宅の運用。
マンションのオートロック共用エントランスを通った先にしか玄関がない場合、宅配や来客の最初の応対は共用インターホンが担うため、G410の出番は荷物の受け渡しや訪問終盤に限られます。
そのため本領を発揮するのは戸建てや、共用エントランスを介さないテラスハウス/低層集合住宅。
マンションでも「在宅時に置き配状況を見たい」「子どもの見守りに使いたい」といった用途であれば活きますが、この点は事前に留意した上で購入を検討されてください。
まとめ:Matter時代の屋内ハブを兼ねたい人に刺さる一台
Aqara ドアベルハブ G410は、スマート系の機能が目立ちますが、そもそものカメラやスピーカーも優秀です。
Matterコントローラーまで備えるため、これからスマートホームを広げていくスタート地点としても有力ですし、すでに別ハブを使っているユーザーにとっても、屋外向けにハブを拡張する面でも機能します。
まとめとして、本製品をおすすめできる人・できない人をまとめました。
- 共用エントランス越しの集合住宅で完結させたい
- Amazon Echo Showメインで運用したい
- ハブ機能が不要で純粋にドアベルだけ欲しい
- 戸建てやテラスハウスでドアベルを置きたい
- Matter/Threadハブを兼ねたい
- iPhoneやApple Watchで通知を受け取りたい
- 顔認識や録画でセキュリティ強度を上げたい
- 電池駆動で配線工事を避けたい
単純なドアベルとしての性能も良いですし、それ以外にも玄関を起点にスマートホームを広げるという面で、検討する価値のある一台です。