
Alexaで実現するホームシアター|Fire TV・Amazon Echoシリーズを連携させたオーディオシステムを構築

Amazon Echoシリーズは、天気予報の確認やアラーム設定といった基本的な使い方に留まらず、Fire TVシリーズと連携させることで、本格的なホームシアターシステムを構築できます。
これは、Alexaアプリの「オーディオシステムをセットアップ」という項目から、Fire TVとEchoデバイスを連携させて利用する機能です。
本記事では、筆者が実際に「Echo Studio」2台と「Echo Sub」を「Fire TV Cube」と組み合わせて構築した経験を基に解説します。
この構成により、迫力あるサウンドでAmazon Prime Video(プライムビデオ)や音楽を楽しめます。

ただし、セットアップや操作にはいくつかのポイントがあります。
この記事では、Alexaを使ったホームシアター(オーディオシステム)の構築方法から、設定のコツ、注意点までを詳しく解説します。
目次
サウンドシステムをセットアップ
Alexaアプリの「ホームシアター」機能を利用することで、EchoデバイスをFire TVシリーズのスピーカーとして設定できます。
従来、Bluetooth接続でもスピーカー連携は可能でしたが、映像と音声の間に遅延が発生するという課題がありました。
一方、「ホームシアター」機能はWi-Fi経由で直接連携するため、音声の遅延が解消され、快適な視聴体験が可能です。
Fire TVで迫力あるサウンドを楽しみたい場合は、この機能の利用を推奨します。
設定方法
STEP 1: 「オーディオシステムをセットアップ」を選択
Alexaアプリの「デバイス」タブ右上の「+」ボタンをタップし、「オーディオシステムをセットアップ」を選択します。

補足として、「ステレオペア」は、同種のEchoデバイス2台を組み合わせてステレオ再生する機能です。音楽鑑賞がメインでFire TVを利用しない場合は、こちらを選択すると良いでしょう。
STEP 2: 接続するスピーカーを選択

次に「ホームシアター」を選択し、使用するFire TVデバイスとEchoデバイスを選択します。
Echo Subも組み合わせることで、最大2.1chのステレオ再生が可能です。ペア設定できるのは、同じ種類のEchoデバイス、かつ同一のWi-Fiネットワークに接続されているものに限られるためご注意ください。
STEP 3: チャンネルテスト・グループの設定

画面の指示に従い、左右のスピーカーを判定するチャンネルテストを行います。最後に、このオーディオシステムをどのグループ(部屋の名前など)に割り当てるかを設定して完了です。
例えば「リビング」に設定すると、「アレクサ、リビングで音楽をかけて」といった音声コマンドで操作できるようになります。
この設定により、以下のようなことが可能になります。
- Fire TVのコンテンツ再生時にEchoをサウンドバーとして利用可能
- 地上波番組の音声もEchoからステレオ再生が可能
- 音楽再生時に、テレビ画面で歌詞を表示しつつ、2台のEchoでステレオ再生が可能
- スキル利用時にも、ステレオ再生が可能
特に「Echo Studio」や「Echo(第4世代)」など大型のスピーカーを2台組み合わせると、より迫力のある音楽・映像体験が楽しめます。
快適な操作のコツ
オーディオシステムを構成すると、Amazon Prime Video(プライムビデオ)や音楽の再生をEchoデバイスに話しかけて音声で操作できるようになります。ここでは、使いこなすためのコツを解説します。
音声コマンドを把握する
Echoデバイスへ以下のように話しかけることで、Fire TVを音声操作できます。
再生関連コマンド
できること | フレーズ | 備考 |
---|---|---|
Amazon Prime Video(プライムビデオ)を開く | アレクサ、Amazon Prime Video(プライムビデオ)を見せて | |
ウォッチリストを開く | アレクサ、ウォッチリストを見せて | ・番号で検索が可能 |
作品名で検索 | アレクサ、M-1グランプリ(”タイトル”)を 再生して | |
俳優の名前で検索 | アレクサ、大泉洋(”俳優の名前”)を見せて | |
チャプター・シーズンで検索 | アレクサ、24-TWNETY FOUR (TV番組・ドラマのシリーズ)のシーズン1 を見せて | |
他の動画サービスを開く | アレクサ、YouTubeを開いて アレクサ、Netflix(ネットフリックス)を開いて アレクサ、Huluを開いて | ・コンテンツ検索が音声で可能 |
コントロール関連コマンド
できること | フレーズ | 備考 |
---|---|---|
一時停止 | アレクサ、止めて | |
再開 | アレクサ、再開 | |
巻き戻し | アレクサ、10秒巻き戻して | ・分数、秒数指定が可能 |
早送り | アレクサ、10秒スキップして | ・分数、秒数指定が可能 |
チャプター移動 | アレクサ、次の章にして |
なお、Fire TV Cubeでは、画面に表示された番号をAlexaに伝えることで作品を選択する機能も利用できます。

会話継続モードを設定する
ホームシアターとして利用する場合、EchoデバイスまたはFire TV Cubeの「会話継続モード」を有効にすることをおすすめします。
これは、一度Alexaに話しかけた後、約7秒間はウェイクワード(「Alexa」)を言わずに連続して指示を出せる機能です。

テレビの操作のように、連続して指示を出したい場合、毎回ウェイクワードを呼びかける手間が省けます。
ウェイクワードを省略できるため、操作性が大幅に向上します。
Fire TV Cubeでテレビ(地上波放送)を操作する
Fire TV Cubeは赤外線(IR)機能を搭載しており、テレビ本体の操作も可能です。
Alexaアプリの「機器のコントロール」からテレビを登録することで、電源のオン・オフや音量変更に加え、地上波/BS/CS放送への切り替えやチャンネル変更といった操作が音声で行えるようになります。


以前は一部の操作に制限がありましたが、アップデートにより操作性が向上し、リモコンを使わずに多くの操作が可能になりました。
なお、Fire TV Cube以外のモデルでテレビを操作したい場合は、Alexaに対応したテレビや、スマートリモコン(Nature Remoなど)を別途導入する必要があります。
少し専門的な内容になりますが、Fire TVシリーズとスマートリモコンを組み合わせてテレビを操作する際、Alexaアプリ上でデバイスの登録情報が競合し、動作が不安定になる場合があります。その際は、スマートリモコン側でテレビを直接登録するのではなく、個別の操作を「シーン(マクロ機能)」として登録し、Alexaからそのシーンを呼び出すように設定すると、安定して操作できることがあります。
注意点・トラブルシューティング
実際に利用する中で注意が必要だと感じた点や、トラブルの解決策をまとめました。
Alexaホームシアターのセットアップに対応しているデバイス
Fire TVでのAlexaホームシアターのセットアップに対応しているデバイスは、以下のとおりです。
- Fire TV Cube(第2世代)
- Fire TV Cube(第3世代)
- Fire TV 4K MAX(第2世代)
- Fire TV Stick 4K Max(第1世代)
- Fire TV Stick 4K(第2世代)
- Fire TV Stick(第3世代)
- Fire TV Stick HD
古いデバイスは対応していないため、注意してください。
Fire TVデバイスのHDMI接続先

Fire TVデバイスをテレビの「ARC」と表記されているHDMIポートに接続します。
別の端末をそのポートに接続している場合は、別のHDMIポートに移動させてください。
Fire TV Cubeでの音声操作に関する注意点【Fire TV Cube限定】
Fire TV Cubeでホームシアターを組んでいる場合、音声操作はオーディオシステムに設定したEchoデバイスではなく、Fire TV Cube本体のマイクに話しかけることを推奨します。
オーディオシステム側のEchoに話しかけると、Fire TV Cubeが持つ一部の音声操作機能が利用できません。(ウォッチリストの直接起動や、番号でのコンテンツ選択など)
より多くの機能をスムーズに利用するために、Echoデバイス側のマイクを一時的にミュートにし、Fire TV Cube本体に指示を出すと確実です。
音楽再生時にテレビが起動してしまう問題への対策【Fire TV Cube限定】
ホームシアターシステムを構成した状態で「アレクサ、音楽をかけて」と指示すると、テレビの電源が自動で入り、音楽が再生されます。
これは便利な反面、就寝前に音楽だけを聴きたい時など、意図せずテレビがついてしまい不便に感じることがあります。
この動作を避けたい場合は、以下の設定をお試しください。
- Fire TV Cubeの設定で電源コントロールの挙動を変更するFire TV Cubeの「設定」>「機器のコントロール」>「機器の管理」>「テレビ」と進み、電源コントロールを「その都度リクエスト」に変更します。これにより、Alexaがテレビの電源を操作する前に確認を求めるようになります。(デフォルトは「自動」です)
- マルチルームミュージックのグループ設定を見直すこのホームシアターグループを、普段利用するマルチルームミュージックのグループから除外しておくことで、他の部屋で音楽を再生する際にテレビがつくのを防げます。
まずは1の方法をお試しいただくことをおすすめします。

カスタマーサービスに連絡
どうしても問題が解決しない場合は、Amazon公式のAmazon Echoサポート「カスタマーサービス」に連絡してみましょう。

カスタマーサービスに連絡を選ぶとAIチャットBotが起動して回答を選択していくとFAQが表示されたり、担当者とやり取りできたりします。



担当者とはチャットで365日24時間問い合わせができるので便利です。必要に応じて電話サポートもしてくれるので、夜中に困ってもすぐに解決できるので安心です。
おわりに
本記事で紹介した方法により、Echoデバイスを利用して最大2.1chのオーディオシステムを構築し、Alexaの音声操作でリモコンに頼らない快適な映像・テレビ視聴環境を実現できます。
タイトル検索や特定シーズンの指定における音声認識の精度は、まだ改善の余地があると感じる場面もありますが、ウォッチリストなどを活用することでスムーズな操作が可能です。
将来的には、さらに多くのEchoデバイスを連携させ、5.1chや7.1chといった本格的なサラウンドシステムの構築にも期待が膨らみます。
セールなどを活用すれば、手軽に質の高いオーディオ環境を整えることができます。
このセットアップは、以下のような方におすすめです。
- 日常的にAlexaで家電操作などをしている方
- すでに対象のEchoデバイスを1台持っている方(追加購入でコストを抑えてステレオ環境を構築可能)
- 配線を少なく、ワイヤレスでオーディオ環境を整えたい方
- Amazon Prime Video(プライムビデオ)を頻繁に利用する方
普段からAlexaの利用に慣れている方であれば、このホームシアターシステムがもたらす利便性と快適性を、より一層ご体感いただけることでしょう。