2026年1月17日(土)~18日(日)、宮城県仙台市の「夢メッセみやぎ」にて「宮城・仙台新築リフォームフェア」が開催されました。 今回のフェアでは、新たな試みとしてシニア層に向けた「AgeTech(エイジテック)展」エリアが新設され、一般社団法人LIVING TECH協会(リビングテック協会)が参画企業6社と共に合同ブースを出展しました。



今回は、少子高齢化が進む日本において重要性を増す「AgeTech」の概念と、実際の展示内容、そして来場者の反応から見えたスマートホーム普及のヒントについてレポートします。
世界で注目される「AgeTech(エイジテック)」とは?
AgeTech(エイジテック)とは、高齢化社会における課題をテクノロジーで解決しようとする分野を指します。 2019年頃から米国で使われ始め、世界最大級のテクノロジー見本市「CES」において、全米退職者協会(AARP)が大規模な出展を行った2023年以降、世界的に急速に注目を集めているジャンルで、日本においても少子高齢化は喫緊の課題であることは周知の事実です。
Care Tech(ケアテック)という言葉に近いですが、Care Techが介護系テクノロジーという特化した表現であることに対し、Age Techは元気な方も含め、シニア層の方々や、いずれシニア世帯になる世代が、歳を重ねても豊かに暮らすことができるテクノロジーであると、ポジティブに解釈できる分野です。
- 離れて暮らす高齢な親の「見守り」
- アクティブシニアがより豊かに暮らすための「生活サポート」
- 介護負担の軽減
これらは当事者のシニア世代だけでなく、親が高齢化するファミリー世帯にとっても「自分ごと」となりつつあります。LIVING TECH協会でも、昨年の大丸札幌店でのイベント(過去のイベントレポート)などを通じ、「親の見守り」や「将来の自分たちの安心」のためにスマートホームを活用したいというニーズの高まりを実感しています。また、それだけでなく、介護事業者や団体などからの問い合わせも増えてきたこともあり、今回、初めてAgeTechの文脈でのスマートホーム展示をトライすべく、出展する運びとなりました。
LIVING TECH協会 合同ブース出展企業と展示内容
今回のAgeTech展では、LIVING TECH協会の参画企業6社が合同で、具体的な製品やサービスを通じたスマートホーム体験を提供しました。

出展企業・サービス一覧
美和ロック株式会社
- 鍵の施解錠見守りサービス「MIWA Support」
- 利便性と防犯性を高める「スマートロック」
株式会社エナジーゲートウェイ
- AIとIoTで暮らしを変える「ienowa(イエノワ)」
リビングロボット株式会社
- 人とロボットが共に生きるライフスタイル提案(HP)
株式会社銀座堂
- スマートホーム導入支援「スマートホームおじさん(One&)」
リノベる株式会社(HOMETACT)
- リノベる。仙台ショールーム紹介
- スマートホームプラットフォーム「HOMETACT」(仙台ショールーム内)
見守りテック情報館
- 最新の見守りテクノロジー情報発信(見守りテック情報館)
LTAラウンジという協会の参画企業向けの情報交換会だけでは議論しきれないところもあり、展示会の設営や準備時間を活用し、出展者間でのサービス連携や協業の可能性についても活発な議論が交わされました。

8,000人超が来場!エンドユーザーの反応と「伝え方」の発見
主催者発表によると、2日間で8,000人強の来場者がありました。 シニア層はもちろん、若いファミリー層も多く訪れ、スマートホームに対する認知や関心を持つ層が確実に増えていることが実感できました。



「見守り」よりも「便利な暮らし」が響く
今回の出展で得られた大きな気づきは、「伝え方」の重要性です。 当初は「AgeTech」や「見守り・介護」という文脈を前面に打ち出していましたが、来場者と対話をする中で、以下の表現の方がより理解と共感を得やすいことが分かりました。
- × テクノロジーによる管理・監視
- 〇 暮らしをサポートしてくれる「便利な家電・サービス」
「見守り」という言葉だけでは、監視されているようなネガティブな印象を与える場合もありますが、「生活を便利にするついでに安心も手に入る」というアプローチの方が、エンドユーザーへの「手触り感」として受け入れられやすいという結果が得られました。
住宅業界におけるIoT・スマートホームの今後
会場内のAgeTech展エリアでは、他メーカーからも注目の製品が展示されていました。

- TOTO: 便スキャン機能を搭載し、ウェルネスアプリと連携する「ネオレスト(トイレ)」
- 城東テクノ: 体組成計付き高気密型床下点検口「NORNE」
これらは、健康管理を自然に生活に溶け込ませるIoT製品として非常に興味深いものでした。
一方で、住宅設備メーカーの出展エリアでは、IoT対応のインターホンメーカーが1社出展している程度で、一般の工務店やハウスメーカーのブースにおいては、まだIoTやスマートホームの要素を訴求・案内しているケースはほぼない、というのが現状であることを再認識しました。 住宅業界全体(BtoB)において、スマートホームの標準採用や認知拡大にはまだ大きな伸びしろがあります。
LIVING TECH協会では、今回の仙台での知見を活かし、エンドユーザーへの啓発はもちろん、住宅事業者へのBtoB領域でのスマートホーム普及・採用拡大に向けて、引き続き活動を推進してまいります。
