家の中にある家電のリモコンを一つのデバイスとアプリに集約してくれるスマートリモコン。SwitchBotは国内シェアNo.1のスマートホームブランドとして、ハブミニ・ハブ2と進化を重ねてきました。
そんなシリーズ最新モデルが「SwitchBotハブ3」です。本作は単なる赤外線リモコンではなく、ストリーミングデバイスのリモコンとしても、Matterブリッジとしても活用でき、まさにスマートホームの中核となる存在に進化しています。
本レビューでは、実機を導入してその実力を徹底的に検証しました。
- 赤外線家電もFire TVもMatterデバイスも一台で集約できる
- 物理ダイヤルとカスタムボタンで本体だけでも操作できる
- Matter対応で最大30台までApple Home/Google Home/Alexaに登録可能
- 温湿度・CO2・人感センサーと連携して住環境の自動化が可能
- ローカルコントロールでネット切断時もエアコン操作ができる
- 本体が大型でディスプレイの映り込みも気になる
- Threadに非対応、Wi-Fiは2.4GHzのみで帯域を占有しがち
SwitchBotハブ3のスペック
まずはSwitchBotハブ3の基本スペックを整理します。光沢仕上げのIPSディスプレイを搭載した、SwitchBotハブシリーズのフラグシップモデルです。

| 製品名 | SwitchBot ハブ3 |
|---|---|
| 価格 | ¥14,980(税込/公式ストア・1個) |
| ディスプレイ | カラーIPS液晶(光沢仕上げ・明るさ調整可) |
| 操作系 | 物理ダイヤル「Dial Master」、タッチパネル、ON/OFFスイッチ、戻る/ホーム/カスタムA〜Dボタン |
| 無線通信 | Wi-Fi(2.4GHzのみ)/Bluetooth/Matter |
| Matter対応 | Matterブリッジとして最大30台のSwitchBotデバイスを各社Matterプラットフォームへ橋渡し(前モデルのハブ2は最大8台) |
| 赤外線 | 業界最大級・約101,000以上のリモコンデータベースに対応(半年周期で更新) |
| センサー | 付属USB-Cケーブル内蔵の温湿度センサー、本体内蔵の人感センサー |
| 連携プラットフォーム | Amazon Alexa/Google Home/Apple Home(Matter)/Siri/IFTTT |
| ストリーミング機器 | Fire TV/Apple TV/Android TVのリモコン代用が可能(Bluetooth接続) |
| その他機能 | ローカルコントロール(ネット断時もエアコン操作可)/4つのカスタムシーンボタン/目覚まし時計/ロック開閉アイコン表示 |
| 本体カラー | ブラック |
これまで当協会で利用してきた前モデル「SwitchBot ハブ2」と比較すると、Matterで橋渡しできるデバイス数が8台 → 30台へと大きく拡張されたのが進化点。家中のSwitchBotデバイスをMatter経由でApple Homeに集約したい人にとっては待望のアップデートです。
SwitchBotハブ3のセットアップ
まず、SwitchBotハブ3のセットアップをしていきます。
同梱物の確認と本体の組み立て
箱を開けるとハブ3本体・スタンド・USB-Cケーブル(温湿度センサー内蔵)・ACアダプター・3M両面テープ・取扱説明書・Matter設定ガイドが入っています。スマートホーム製品としては必要十分な内容です。








本体のセットアップで苦労したところは特にありません。ケーブル面の細かい部分に工夫が施されているなと感じました。
アプリ登録とWi-Fi接続
続いてSwitchBotアプリでハブ3を登録します。事前にSwitchBotアカウントでログインしておきましょう(編集部ではすでに利用中のアカウントを流用)。





アプリと本体が連携し「デバイスの接続が完了」と表示されるところまで、アプリの指示に従うだけでスムーズに進みます。


SwitchBotハブ3が対応するWi-Fiは2.4GHz帯のみです。最近のメッシュWi-Fiルーターは5GHzと2.4GHzを自動切替する設定になっていることが多いため、設定アプリで「2.4GHz帯を使う」モードへ一時的に切り替えるか、2.4GHzのSSIDを別途用意してから接続する必要があります。

これでアプリの初期設定は完了です。基本アプリに従うだけだったので簡単でした。
家電リモコンの学習
セットアップが終わったら、いよいよ家電のリモコン学習。SwitchBotには「自動学習/手動学習/ボタン学習」の3パターンが用意されており、メジャーな国産メーカーの家電はほぼ自動学習で完結します。







これで完了です。かなりスムーズに家電の登録までできました。
なお、今回は自動学習で設定しましたが、テンプレートがない場合は、手動学習で行います。
とはいえ、これも通常の学習リモコンと同様に、ボタン1つ1つを登録していくイメージです。我が家はAladdin X2 Plusを利用してますが、このテンプレートはなかったため、手動で学習させました。


またハブ3では、従来の赤外線家電に加えて、Fire TVなどBluetooth接続のストリーミングデバイスにも対応しています。
これはスマートリモコンとしても新しいポイントなので、詳しい設定手順と使い勝手は次のレビューの章で後述します。
このように、登録自体も簡単ですし、テンプレートにない家電もボタン学習で追加できるため、適応範囲はかなり広い印象です。
SwitchBotハブ3のレビュー
ここからは、実際にSwitchBotハブ3を利用したレビューを掲載していきます。
あらゆる家電リモコンを一台に集約できる(赤外線以外もOK)
スマートリモコンの第一のメリットは、家電リモコンを一台にまとめられること。
リビングのテーブルに散らばっていたエアコン・テレビ・照明のリモコンを、ハブ3とスマホの中に集約できます。
「あのリモコン、どこいった?」のストレスから解放されるのは想像以上に快適です。
ここでSwitchBotハブ3の強みは、赤外線家電だけでなくBluetoothで動くストリーミングデバイス(Fire TV/Apple TV/Android TV)まで集約できる点。
さらに本体はMatterブリッジとしても利用できるため、Apple HomeなどスマートホームアプリからもSwitchBotデバイスを操作できる仕組みです。

Fire TVの連携も試したところ、流れはかなり分かりやすいものでした。
SwitchBotアプリの「ストリーミングデバイス追加」からFire TVを選び、部屋を指定したうえで、Fire TV側のBluetoothコントローラー設定から「SwitchBotハブ3」をペアリングします。






実際に登録すると、スマホ上にFire TV用のリモコン画面が表示され、再生・一時停止、ホーム、戻る、方向キー、音量操作などをまとめて操作できます。テレビまわりはリモコンが増えがちな場所なので、エアコンや照明だけでなくFire TVまで同じアプリに入るのは、かなり実用的でした。



誤解されがちなポイントですが、SwitchBotハブ3は「Matterブリッジ」であり「Matterコントローラー」ではありません。SwitchBot製品(カーテンやロックなど)をMatter規格に変換してGoogleやAppleのシステムへ橋渡しする役割を担います。
他社のMatter対応製品と直接ペアリングするためには、別途Matterコントローラー(Apple HomePod、Google Nest Hub、Amazon Echoなど)が必要です。本機を100%活用するならスマートスピーカーとセットで導入するのがおすすめです。

本体ダイヤルとカスタムボタンで「スマホレス」操作が快適
スマートホームを長く使っていて感じるのが「家にいる時ほどスマホを取り出すのが面倒」というジレンマ。家の中ではスマホを置きっぱなしにしがちで、リモコンをまとめたはずなのにアプリを開く手間で逆に億劫になる、という本末転倒な状況に陥りがちです。
その点、ハブ3は本体に独自設計の物理ダイヤル「Dial Master」を搭載。軽く回すだけでエアコンの温度を1℃ずつ調節したり、モード変更ができたりと、リモコン同様の細かな操作感を物理デバイス単体で実現できます。






スマホやAIアシスタントで音声操作ができるといっても、やっぱり物理的なリモコンで操作する方が直感的にできることも多いんですよね。
スマートホーム製品としては珍しい仕様で、SwitchBotがユーザーの実生活ニーズを丁寧にすくい上げてきた結果が反映されたデザインだと感じました。
Matter対応でApple Homeにも接続、最大30台まで登録可能に
SwitchBotハブ3に登録した家電は、Amazon AlexaやGoogle Home、Apple Home(Matter)と接続して音声操作できます。
特にApple Homeへの接続については、前モデルのハブ2でも可能でしたが、ハブ3では登録可能な台数が8台→最大30台へと大幅拡張されたのが大きな進化点。


家中のSwitchBotデバイスをApple Home側に登録しきれなかった筆者にとっては、待望のアップデートでした。


簡単に登録内容を見ていきましょう。








Appleホームのダッシュボードは、Amazon Alexaと比べると情報量・UIデザインが筆者的には好みで、かつiPhone、iPadとOSレベルで連動しているため、使いやすいです。
従来は、Apple Home(旧HomeKit)はMFi認証や専用チップの搭載が必要だったため、対応するスマートホーム製品は限られていました。Matterの登場と各社の対応により、その制約が一気に取り払われた格好です。
ただし、Fire TVのようなBluetooth接続のストリーミングデバイスはMatter経由では登録できない点には注意が必要です。これらはSwitchBotアプリからのみ操作可能になります。
温湿度・CO2・人感センサーで住環境の見える化&自動化
ハブ3はそれ単体で気温・湿度を本体ディスプレイに表示できます。スマートリモコン利用時はエアコンを操作する機会が多く、室温は常に確認したいデータ。
パッと見るだけで分かるディスプレイの存在は使い始めると手放せません。


さらにSwitchBotラインナップにはCO2センサーもあり、ハブ3と連動させることで室内空気の見える化と換気の促し方まで含めた管理が可能。
CO2センサーと連携できるスマートホームブランドは限られているため、SwitchBotの製品ラインの厚さが活きるポイントです。
センサー値を活用したオートメーションも強力。実際に「室温28℃以上で冷房ON」「湿度65%超で除湿モード」といった条件を設定したところ、閾値を超えると自動でエアコンが動き出し、室内環境を一定の範囲で保ち続けてくれました。
SwitchBot空気清浄機Tableなど他のSwitchBotデバイスと組み合わせれば、快適性はさらに上がります。

高度な機器連携で見守り・セキュリティ・節電にも対応
スマートホームは単品デバイスを組み合わせて構築するのが基本ですが、SwitchBotは自社で豊富な製品を揃え長期間ベストセラーを続けているだけあって、他社と比較しても一段階高度な連携ができます。
たとえばSwitchBotスマートロックと組み合わせれば、ドアの閉め忘れをハブ3のディスプレイ上のアイコンと音で知らせてくれる機能があります。
単純にセキュリティ的に良いですし、わざわざ玄関に行かなくても、SwitchBotアプリを立ち上げる手間もなく鍵が閉まっているか確認できる安心感は大きかったです。
先述の温湿度モニタリング機能も単に表示するだけではなく、グラフ化したり、設定した快適範囲を超えると本体から音が鳴り数字の色が変わる機能もあります。これらは室内を快適に保つだけでなく、子どもや高齢者の見守りにも役立てられる仕組みです。
新たに搭載された人感センサーを活用すれば「留守の間はエアコンを自動でOFF」「日差しが強い時間帯は自動でカーテンを閉める」「暗くなったら照明を自動でON」といった節電・省エネ自動化も可能。
SwitchBotシリーズは、日本ではNo.1といえるほどの多数のラインアップがあり、それらはオートメーション機能で連携させて自動化が可能です。
アプリを開かなくても、本体だけで多彩なことができるのが他社のスマートリモコンとは一線を画す部分です。

スマートホームを「身近」に感じさせてくれる物理ハブ
これまでのスマートホーム製品は、基本的にスマホアプリや音声による操作・モニタリングが前提でした。
ハブ3の最大の魅力は、本体単体でモニタリングや操作ができる点です。
家の中にいる時に何のデバイスを身につけていなくても、目に触れるだけで温湿度を確認したりダイヤルを回したりできる安心感は、実際に置いてみないと分からない快適さがあります。

もちろん家の中で手元にあったデバイスがスマホでもスマートウォッチでもスマートスピーカーでも、どれにも対応しているのがSwitchBotシリーズの強み。エコシステムを築きながら、スマートホームによりリーチしやすい環境を得られるのがハブ3の本質的な価値だと感じました。
また、ハブ3は単体で完結する操作端末でありながら、SwitchBot製品を増やすほど「帰宅したら照明をつける」「室温が上がったらエアコンを入れる」「外出時に家電をまとめてOFFにする」といったオートメーションの起点にもなります。
物理ボタンやダイヤルで目の前の操作ができ、裏側ではセンサーやスマートロック、照明、空調が連動する。この両方をひとつのエコシステムで作れる点が、ハブ3をただのスマートリモコン以上の存在にしています。


SwitchBot製品を組み合わせた生活全体の作り方は、以下の記事でも詳しく紹介しています。ハブ3を中心に、照明・ロック・センサー・空調をどう連動させるかを考える際の参考にしてください。

SwitchBotハブ3で気になった点
ここまでSwitchBotハブ3の良い点を述べてきましたが、気になった点も記載しておきます。
本体が大型・無骨で、インテリア性は控えめ
高機能で物理操作にも対応するハブ3は、他社スマートリモコンと比べてもかなり大型な部類です。本体カラーはブラックのみで、プラスチック製の筐体は光沢ディスプレイの映り込みもあり、置く場所によっては「無骨」な印象を受けます。
赤外線を部屋中の家電に届かせる役割もあるため、本機は基本的に部屋の目立つところに置く必要があるのもポイント。インテリアにこだわりたい方は注意が必要です。デザイン性を重視するなら、機能は簡易的になりますが木目調デザインの「SwitchBot ハブミニ」を選ぶ方がフィットしやすいと感じます。

Threadに非対応、Wi-Fiも2.4GHzのみ
性能・機能面での唯一の弱点は、Threadに非対応であることです。Threadはスマートホームデバイス向けの低電力メッシュ通信規格で、Wi-Fiルーターへの負荷を抑えつつ安定した通信が可能。
他社のThread対応製品と比べると、Wi-Fiが混雑するネットワーク環境では接続エラーになる場面がたまにあります。

とはいえSwitchBotのデバイス自体はBluetoothベースで、ハブ3経由でMatterに変換される構造のため、SwitchBotエコシステムだけで完結するならThread非対応の影響は限定的。
Thread対応の他社製品を本格的に組み合わせたい人は別途Thread対応ハブを検討する必要があります。次世代モデルでの対応を期待したい部分です。
また先述のとおり、Wi-Fiは2.4GHz帯のみ対応。最近の住宅では5GHz帯と2.4GHz帯を統合管理しているメッシュルーターが増えており、設定変更が必要なケースもある点は事前に把握しておきたいところです。

まとめ
SwitchBotハブ3は、シリーズの最上位モデルとして「スマートリモコン×Matterブリッジ×物理操作デバイス」という3つの役割を一台にまとめた完成度の高い製品でした。
Matter登録台数が30台に拡張された点と、本体ダイヤル&カスタムボタンによる物理操作の快適さは、すでにSwitchBotを愛用している人にも、これからスマートホームを始める人にも大きな価値があります。
一方でThread非対応・Wi-Fi 2.4GHzのみ・大型な本体といった気になる点もあるため、自宅環境やインテリアとの相性は購入前に確認しておきたいところ。総合すると、SwitchBotで家中のスマートホームを構築したい人にとってはまず手元に置きたい中核デバイスと言えるでしょう。
最後に、この製品をおすすめできる人とできない人をまとめます。
- コンパクトで目立たないスマートリモコンが欲しい方
- Thread対応の他社製品を本格的に運用したい人
- 赤外線家電が少なく、最低限の操作だけで足りる人(→ハブミニで十分)
- Apple HomeにSwitchBotデバイスを多く登録したい人
- スマホを介さず本体ダイヤルで家電を操作したい人
- Fire TVなどストリーミング機器も含めて集約したい人
- 温湿度・CO2・人感センサーで住環境の自動化を進めたい人
- SwitchBotで家中のスマートホームを統一したい人
以上です!総合的にはさすがSwitchBotシリーズの中核を担う製品だと感じました。

