Appleが「はじめてのMac」として新しく送り出した13インチMacBook Neo。A18 Proチップを搭載し、価格は10万円を切るエントリーモデルです。
「安いMacBookって実際どうなの?」「ふだん使いに耐えられるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
筆者も同じ疑問を持ちながら実機を購入し、MacBook Air M5と比較しながらしばらく使ってみました。
結論から言うと、ビジネスユースやAIツールの活用がメインなら、十分すぎる1台です。
一方で上位モデルと比べると気になる部分もあるので、メリット・デメリットの両面からくわしくレビューしていきます。
- 99,800円でApple品質のMacBook体験が手に入る
- macOSの最適化で8GBメモリでもスムーズに動作する
- 外部4Kモニター接続+マルチタスクもこなせるビジネス性能
- ファンレス設計で完全無音
- 価格帯を超えたスピーカー品質(Dolby Atmos対応)
- コンパクト(1.23kg)で持ち運びしやすい
- 256GBモデルはTouch ID非搭載(512GBモデルのみ搭載)
- MacBook Airと比べるとアプリ起動にわずかなもたつきがある(値段相応)
- True Tone非搭載・P3非対応でディスプレイがやや青白い(値段相応)
- 動画編集などクリエイティブ用途には力不足(値段相応)

MacBook Neoのスペック
まずはMacBook Neoの基本スペックを確認しましょう。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 価格(税込) | 99,800円(256GB)/ 114,800円(512GB) |
| チップ | Apple A18 Pro(6コアCPU / 5コアGPU / 16コアNeural Engine) |
| メモリ | 8GB ユニファイドメモリ(増設不可) |
| ストレージ | 256GB SSD / 512GB SSD |
| ディスプレイ | 13インチ Liquid Retina(2408×1506 / 219ppi / 500ニト / sRGB / 60Hz) |
| バッテリー | 36.5Wh / 最大16時間(Wi-Fi利用時) |
| 充電 | 20W USB-C(MagSafe非対応) |
| ポート | USB 3(USB-C / 10Gb/s)×1 / USB 2(USB-C / 480Mb/s)×1 / 3.5mmヘッドフォンジャック |
| 通信 | Wi-Fi 6E / Bluetooth 6 |
| カメラ | 1080p FaceTime HDカメラ |
| スピーカー | デュアルサイドファイアリングスピーカー(Dolby Atmos対応) |
| キーボード | Magic Keyboard(シザー構造)/ Touch IDは512GBモデルのみ |
| 外部ディスプレイ | 1台まで(最大4K / 60Hz) |
| サイズ | 幅29.75 × 奥行き20.64 × 高さ1.27 cm |
| 重量 | 1.23kg |
| 冷却 | ファンレス設計(完全無音) |
| カラー | シルバー / ブラッシュ / シトラス / インディゴ |
| その他 | Apple Intelligence対応 / 再生素材60%使用 |
MacBook Neoには256GBモデルと512GBモデルの2種類があり、ストレージ以外にも違いがあります。
| 256GBモデル | 512GBモデル | |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 99,800円 | 114,800円 |
| ストレージ | 256GB SSD | 512GB SSD |
| Touch ID | 非搭載(ロックボタン) | 搭載 |
差額は15,000円。指紋認証やストレージ容量を重視する方は512GBモデルがおすすめです。
今回レビューするのは256GBモデル(99,800円)です。
注目はA18 Proチップの搭載。もともとiPhone 16 Pro向けに開発されたチップをMacに転用したユニークな構成です。
Mシリーズほどのパワーはありませんが、そのぶん消費電力が低く、ファンレス設計で完全無音。バッテリーも最大16時間駆動を実現しています。
MacBook Air(M5チップ)と比較すると、CPUコア数が10→6、メモリが16GB→8GBと控えめ。ディスプレイも13.6インチ→13インチとやや小さく、P3広色域やTrue Toneには非対応です。
ただしその差が日常利用でどこまで影響するかは、実際に使ってみないとわかりません。
開封とセットアップ
10万円を切る価格ながら、開封体験はまぎれもない「MacBook」です。
箱を開けた瞬間のApple特有の質感と高級感があり、この価格でMacBookの開封の儀が楽しめるのが嬉しいポイント。


値段だけ見れば同価格帯のWindowsノートのほうがスペックが高いケースもあるでしょう。
しかし製品としての完成度や顧客体験の良さは、数字には表れないAppleのブランド価値そのもの。ここは見すごせないポイントです。
付属品はUSB-C充電アダプターとUSB-Cケーブル(編み込みタイプ)のみ。シンプルな構成です。



初期設定はいつものmacOSセットアップ。Apple IDでサインインし、iCloudの設定を済ませればすぐに使い始められます。
iPhoneやiPadを持っている方なら、各種データの引き継ぎもスムーズです。

MacBook Neoのメリット
ここからは、実際に使ってみて感じたメリットとデメリットを紹介します。MacBook Air M5と並べて比較しながら検証しました。
10万円を切る価格でMacBookの体験が手に入る
MacBook Neoの最大の魅力は、やはり価格です。
10万円を切る価格帯で「MacBookの開封の儀」を楽しめるというのは、これまでになかった選択肢ですよね。

Appleならではのアルミニウムボディの手触り、開いた瞬間のディスプレイの美しさ、macOSのなめらかな操作感。
これらの体験がエントリー価格で手に入るのは大きなメリットです。カラーバリエーションもシルバー・ブラッシュ・シトラス・インディゴの4色展開で、自分の個性に合わせた1台を選べる楽しさもあります。

macOSの最適化で8GBメモリでもスムーズに動く
正直なところ、購入前は「8GBメモリで大丈夫なのか」と不安でした。
しかし実際に使ってみると、macOSのメモリ管理が非常に優秀で、日常の操作でカクつきを感じる場面はほぼありませんでした。
アクティビティモニターを確認すると、メモリのプレッシャーゲージが黄色のゾーンに入ることはあります。しかしmacOSがそのゾーンのなかでうまくやりくりしてくれている感覚で、体感上のもたつきにはつながっていません。
ふだん使っている32GBメモリのWindowsマシンでは、その性能を持てあましているのかファンが頻繁に回ったり、固まったりすることがあります。
macOSは限られたリソースを効率よく使う設計が徹底されており、スペックの数字以上に快適に動くのが印象的でした。
外部4Kモニター接続でビジネスユースに十分な性能
実際の仕事環境を想定して、外部4Kモニターに接続しながらSlack・Chrome・Claude Code(AIコーディングツール)を同時に動かしてみました。
結果はまったく問題なし。CPUはハイプレッシャーにならず安定しており、各アプリの切り替えもスムーズです。

今の時代、ビジネスの現場で求められるのは、まず「AIツールがしっかりと動くこと」ではないでしょうか。
クラウドベースで処理されるChatGPTやGeminiはもちろんのこと、Claude CodeやCoworkといったAIツールをCLI・アプリの両方で回しても特に問題なく、AIを活用したビジネスワークにはベストな選択肢のひとつだと感じました。
このあたりはmacOSの最適化の恩恵も大きいですね。外部モニターと本体ディスプレイのデュアル環境でも、バッテリーの減りが極端に速くなることもありませんでした。
フルサイズキーボードの打鍵感
キーボードはシザー構造のMagic Keyboardを採用。1世代前のMagic Keyboardに近い形状で、フルサイズキーボードなのでタイピング体験はしっかりしています。
MacBook Air M5と打ち比べてみると、Neoのほうがやや「ペチペチ」とした打鍵感で、キーストロークもわずかに浅く感じます。
ただしこれはMacBook Air側が上質すぎるだけで、もともとMacBookのキーボード品質は高いため、Neoだけを使っていれば十分に快適です。



なお今回レビューしている256GBモデルにはTouch ID(指紋認証)は搭載されておらず、右上にはロックボタンが配置されています。
指紋認証でサッとロック解除したい方は512GBモデル(114,800円)を選ぶ必要があります。256GBモデルではパスワード入力でのロック解除になりますが、ふだん使いで大きなストレスにはなりませんでした。

価格帯を超えたスピーカー品質
個人的に「よく仕上げてきたな」と感心したのがスピーカーです。
MacBook Airのような4スピーカー構成ではなく、シンプルなデュアルステレオスピーカーなのですが、音の深みが1段階しっかりあるのが好印象。
安価なノートパソコンにありがちなシャカシャカした薄い音ではなく、YouTubeの動画視聴くらいならそこそこの没入感を持って楽しめます。
Dolby Atmosにも対応しているので、対応コンテンツでは空間的な広がりも感じられますよ。
10万円を切るパソコンとしてはかなり頑張っている部分です。

コンパクトで持ち運びやすいボディ
MacBook Airと手で持ち比べてみましたが、厚みはそこまで気になりませんでした。
そのぶんフットプリント(設置面積)がわずかに小さくなっており、カバンへの収まりはむしろ良好です。



モバイルパソコンとして持ち歩くにはベストなサイズ感だと感じます。
iPadと並べてもひとまわり大きい程度で、カフェやコワーキングスペースでの作業が多い方には、このコンパクトさはうれしいポイントですね。


アプリ起動時にわずかなもたつきがある
ここからは気になった点です。ふだん使っているぶんにはほとんど違和感がないのですが、MacBook Air M5と並べて操作すると差を感じたのがアプリの起動速度。
MacBook Neoではアプリを起動する際に一瞬もっさりするような動作があります。MacBook Air M5ではそんなことはなく、かなりキビキビとした動作。
Neoだけを使い続けていれば気にならないレベルですが、上位モデルと比べるとサクサク度は一段落ちる印象です。
A18 ProチップはMシリーズと比べるとCPUコア数が少ないぶん、初回のアプリ読み込みにやや時間がかかるのでしょう。
いったん起動してしまえば操作は快適なので、致命的なデメリットではありません。
True Tone非搭載でディスプレイがやや青白い
ディスプレイは13インチのLiquid Retinaで、表示そのものは十分に綺麗です。
macOSのフォントレンダリングも相まって、テキストもくっきり読みやすい。ふだん使いで「画面が荒い」と感じることはまずないでしょう。
ただしP3広色域には非対応。またTrue Tone(周囲の環境光に合わせて色温度を自動調整する機能)が搭載されていないため、MacBook Airと並べると色味がやや青白く映る印象です。
照明の色味が変わっても画面の色温度は一定のままなので、暖色系の照明の下だとわずかに違和感を覚えるかもしれません。


とはいえ、MacBook Neoだけを使っていれば慣れてしまうレベルの差です。
写真や動画の色を正確に扱いたいクリエイターの方には上位モデルをおすすめしますが、ビジネスやブラウジング用途なら問題ありません。
動画編集などクリエイティブ用途には力不足
もともとスマートフォン向けに設計されたA18 Proチップは、Mシリーズに搭載されている動画処理のハードウェアアクセラレーション(ProResエンジンなど)が省かれています。
そのため動画の書き出しやプレビューの快適さでは、数年前のM1 MacBook Airにも一歩ゆずる部分があります。
動画編集をしている際は、Final Cut ProやAdobe Premier Proなどよりもスマホに最適化されているのかCapCutのほうが快適に動く場面もありました。
ただしMacBook Neoを手に取るユーザーは、バリバリのクリエイティブ用途を求めている方ばかりではないでしょう。
この予算帯で動画編集もこなしたい場合は、整備済みや中古のMシリーズ MacBook Airの購入を検討するのもひとつの手。同じくらいの価格帯で見つかることも多いです。
まとめ
MacBook Neoは「安かろう悪かろう」ではなく、macOSの完成度を活かした”ちょうどいいMacBook”です。
8GBメモリやA18 Proチップというスペックだけを見ると心もとなく感じるかもしれませんが、実際に使ってみるとmacOSの最適化がそのギャップをしっかり埋めてくれます。
SlackやChrome、AIツールを使ったビジネスワークは快適そのもの。外部4Kモニターとの組み合わせでも安定して動作し、「AIが動けばだいたいできる」という今の時代のニーズにしっかり応えてくれます。
スピーカーやボディの質感も価格以上で、Appleの底力を感じる1台ですね。
一方で、上位のMacBook Airと比べるとアプリ起動の速度差やディスプレイの色表現には差があります。動画編集などの重い作業には向きません。
自分の用途が「ビジネス・日常使い」なのか「クリエイティブ作業もしたい」のかを見きわめて選ぶのが大切です。
- 動画編集や写真の色補正など、クリエイティブ用途がメインの方
- アプリの起動速度やマルチタスク性能を最重視する方
- P3広色域やTrue Toneなどディスプレイ品質にこだわる方
- はじめてMacBookを買いたい方、Macデビューを考えている方
- SlackやChrome、AIツール中心のビジネスワークがメインの方
- 持ち運びやすいサブ機・モバイル用途を探している方
- 10万円以内でApple品質のノートパソコンがほしい方
はじめてのMacBookとして、あるいはサブ機として。MacBook Neoは「スペック最強」ではなく「体験最高」を目指した1台だと思います。
macOSの世界に足を踏み入れてみたい方には、間口の広い良い選択肢ですよ。