プロジェクターブランドとして定評のあるXGIMI(エクスジミー)から、ホームプロジェクターの最新シリーズの標準モデル「XGIMI HORIZON 20」が登場しました。
上位機種の設計思想を色濃く受け継ぎつつ、家庭でのメイン機として「最もバランスの取れた性能」を備えた一台です。
標準モデルといえども、4K解像度、最新のレーザー光源、そして強力なゲーム性能など、XGIMIの技術が惜しみなく投入されています。
実際に使用して感じた操作感や、上位モデルとの違いを含めて詳しくレポートします。
本記事は、メーカーであるXGIMI株式会社より製品を貸与頂き、記事執筆を行なっております。
最後に、XGIMI HORIZON 20シリーズの比較表をまとめておきます。
XGIMI HORIZON 20シリーズの比較
まずはじめに、XGIMI HORIZON 20シリーズのスペック比較をしておきます。
| 項目 | HORIZON 20 | HORIZON 20 Pro | HORIZON 20 Max |
| 価格(目安) | ¥246,415 | ¥314,910 | ¥405,810 |
| 輝度 (明るさ) | 3200 ISOルーメン | 4100 ISOルーメン | 5700 ISOルーメン |
| 解像度 | 4K | 4K | 4K |
| OS | Google TV | Google TV | Google TV |
| スピーカー | 12W x 2 | 12W x 2 | 12W x 2 |
| レンズシフト | 垂直±120%/水平±45% | 垂直±120%/水平±45% | 垂直±120%/水平±45% |
| レーザーダイオード | 20個 | 30個 | 40個 |
| 光学ズーム | あり | あり | あり |
| 重さ(本体) | 約4.9 kg | 約4.9 kg | 約5.8 kg |
上記から、実は主だった違いはレンズ性能と明るさのみで、それ以外はほぼ同等スペックとなっています。
- 明るさ(視認性): Proの方が約30%明るいため、日中のリビングや、部屋の照明を完全には落とせない環境でゲームをする場合、Proの方が圧倒的に画面が見やすく、色彩も鮮やかに感じられます。
- 映像の鮮明さ(レンズ): Proには独自開発の「レッドリングレンズ」が採用されています。これにより、画面の隅々までボケにくく、4Kゲームの細かなテキストやテクスチャがよりシャープに描写されます。
ホームプロジェクターとして使うならば、正直XGIMI HORIZON 20でも十分過ぎるほど明るいですし、綺麗な映像視聴ができます。
ただし、レビューで後述する通り、精細度の違いがあることやそれによってゲームプレイにも差が出る場面があったため、予算が許す場合スペックだけで判断せず、より高性能なPro/Maxも考慮された方がよいです。
随所に「気の利く」工夫が施された本体設計
まず手に取って感じるのは、洗練されたデザインの中に、ユーザーの利便性を最優先した設計が盛り込まれている点です。
設置面|自由度の高い設置と「天井投影」
本機の最大の特徴の一つは、本体を水平方向に360度スムーズに回転できる構造です。クルクルと手で回しやすく、投写方向を直感的に調整できます。
この構造は、テーブルの上に置いて投影するだけでなく、三脚などに設置した際にも使い勝手が良いです。
さらに大きなメリットが、そのまま真上に向けられることで「天井投影」が容易に行える点です。

従来のホームプロジェクターで、安定した状態で天井投影ができるモデルは決して多くありませんでした。別途三脚を用意する手間が省けるため、寝室でのリラックスタイムに大画面を楽しむといった使い方が非常にスムーズになります。
サイズ感|部屋間の移動くらいなら難なく持ち運べる
本体サイズは424 × 369 × 251 mm、本体重量は約4.9kgです。
しっかりとした重量感はありますが、女性でも両手で抱えれば無理なく持ち運べるレベルです。

モバイルプロジェクターのような軽快さはありませんが、リビングから寝室へ移動させるといった、部屋間での持ち運びにはちょうど良いサイズ感と言えます。
インターフェース|必要十分だがHDMIが2系統のみに注意
背面には12W × 2のHarman/Kardon(ハーマンカードン ※1)製スピーカーを搭載。HDMI端子は2系統備わっており、そのうち1系統はeARC(※2)に対応しています。

Google TVを内蔵しているため、YouTubeや各種配信サービスは本体のみで快適に楽しめます。
ただし、ゲーム機、レコーダー、ストリーミングデバイスなど、複数の外部機器を常に接続しておきたい方にとっては、2系統という端子数はやや物足りなさを感じるかもしれません。
多くの機器を固定で接続し続けるような「テレビの代わり」としての使い方を重視するなら、HDMIセレクターなどの併用も検討すると良いでしょう。
(※1)Harman/Kardon: 世界的に有名なオーディオブランド。クリアで奥行きのある音響設計に定評があります。
(※2)eARC(エンハンスド・オーディオリターン・チャンネル): 高品質な音声をAVアンプなどへ伝送するための規格です。
ディテールまでくっきりと映し出す色彩豊かな映像
XGIMI HORIZON 20は、シリーズの中では標準モデルに位置付けられますが、他社製品と比較すると性能・機能ともに抜群に良いです。
特に気になるのは画質かと思いますが、もちろんその点も4K解像度と最新の光源システムがその実力を発揮しています。詳しくみていきましょう。
3200 ISOルーメンがもたらす「昼間の視認性」
本機は3200 ISOルーメン(※6)という、家庭用としては十分すぎる明るさを備えています。
同社の「Aladdin X2 Plus」や「Aladdin Poca」などは、重視されている部分が違うものの、日中の明るい室内では映像がうっすらとしか見えないことが多いですが、HORIZON 20は完全に遮光しなくても十分に映像を視認できるレベルです。


もちろん、Pro(4100 ISO)やMax(5700 ISO)と比較すれば絶対的な明るさは譲りますが、実用上の「明るいリビングでの視聴」において、本機でも不満を感じることはほとんどないと言い切れるレベルでした。
4K解像度とレーザー光源の恩恵
「X-Master RGB 3色レーザー」光源による色域(※7)の広さは素晴らしく、非常に色彩豊かな映像を楽しめます。
映画では風景描写における葉の一枚一枚や、草原の細やかな部分まで綺麗に表現されており、非常にリアルな質感です。
また、本機はHDR10+やDolby Vision(ドルビービジョン ※8)にも対応。コントラストもくっきり再現されます。

| 規格・モード | 概要 |
| Dolby Vision | 映画館のような色彩と輝度をシーンごとに最適化して再現。 |
| IMAX Enhanced | IMAXシアターに近い迫力を家庭で保証する認証規格。 |
| Filmmaker Mode | 映画製作者の意図した色調やフレームレートを忠実に再現。 |
(※6)ISOルーメン: 国際標準化機構が定めた明るさの単位。数値が高いほど明るい場所でもはっきり見えます。
(※7)色域: 再現できる色の範囲。広いほど多彩でリアルな色合いになります。
(※8)Dolby Vision: 従来のHDRよりも精緻に明暗をコントロールできる技術。
ゲームプレイも可能|ガチ勢はPro以上の選択を推奨
XGIMI HORIZON 20は、家庭用ゲーム機に接続してゲームをすることも可能です。
今回は、4K対応しているNintendo Switch 2に接続し、『スプラトゥーン3』をプレイしました。
低遅延でゲームプレイにも最適
他社と比較してXGIMI HORIZON 20の低遅延性能は抜群によく、ゲームプレイにも最適です。
実戦で感じたレスポンスの良さ
特筆すべきは、キャラクターのコントロール性能(キャラコン)が極めて軽快であった点です。
本機は、標準モデルでありながら上位のProモデルと同等の「1ミリ秒(1080P@240Hz時) / 3ミリ秒(4K@60Hz時)」という低遅延を実現しています。
このスペックは、他社のホームプロジェクターでは類を見ないほどの素晴らしい性能です。

特に昨今ではNintendo Switch 2が4K対応したことによって、PS5も含め4K対応ゲームが増えてきています。その中で、4Kプレイの場合視認性が高まり、より遠くの敵を捕らえたり位置把握がしやすくなったりと、この画質や遅延の少なさはゲーム内の強さに直結します。
一般的なプロジェクターで感じられがちな、操作に対して映像がわずかに遅れる「重たさ」が本機には全くと言って良いほどなく、非常にサクサクとした動作となっていました。
素晴らしい性能だがより良い環境を求めるならばPro以上推奨(体感ベース)
感覚としては、高性能な液晶テレビでゲームを楽しんでいるのと遜色なく、むしろテレビよりもキャラコンの軽さを感じられるほどでした。
もはやゲーミングモニターに匹敵するほどで、下手なモニターよりも滑らかなプレイが実現できます。
これは、本機がVRR(可変リフレッシュレート ※4)とALLM(自動低遅延モード ※5)に対応し、信号のロスを徹底的に排除した恩恵であると感じます。
この点だけとっても、他社と比較してXGIMI HORIZON 20を選ぶ十分な理由になります。
ただし、今回並行でレビューした上位モデルのHORIZON 20 Proをプレイした所、入力遅延は同等にも関わらず、HORIZON 20 Proの方が滑らかに感じました。

これは筆者の体感なので必ずしも正ではないと思いますが、Proの場合はレンズに「X-Master レッドリングレンズ」が採用されており、明るさと映像の鮮明せさが少し変わってきます。
この見やすさと鮮明さがそのように感じさせる場合もあるので、「ガチ勢」としてプレイしたい場合、個人的には「XGIMI HORIZON 20 Pro」も選択肢に入れることをお勧めします。
(※3)入力遅延: 操作してから画面に反映されるまでの時間差のこと。
(※4)VRR: 映像の更新タイミングを調整し、画面のズレやガクつきを抑える技術。
(※5)ALLM: コンテンツに合わせて自動で低遅延モードに切り替える機能。
Google TVの快適な操作性
OSには「Google TV」を採用。最新のMT9679をSoCに据えシステム自体のスペックが高いのか、操作のレスポンスが非常に高速です。
音声認識の精度の高さ

Googleアシスタントは以前から日本語認識の精度が高いことで知られていますが、本機でもその強みが活かされています。
他の音声操作では正しく変換されないような固有名詞もしっかりと認識されました。
感覚としては、Fire TV StickのAlexaよりも認識精度が高く感じられます。
プロジェクターやテレビはリモコンでの文字入力がしにくいため、この精度の高さは実用上非常に助かります。
Google Home連携
Google Homeに登録すれば、電源のオンオフや音量調節、再生・停止といった操作が可能です。
スマホ一台でコントロールできるのは、スマートホーム化を進めている方にとって嬉しいポイントかと思います。
他のスマートホーム家電に接続して、スクリーン上で照明などの音声操作や独自の仕組みづくりもできます。

興味のある方は以下の記事もご参考ください。
ストレスを解消する高度な投写機能
本機は、投写のハードルを下げるための「気の利いた」機能も充実しています。
物理レンズシフトと光学ズーム
特筆すべきは、上下左右へ投写位置を動かせる「物理レンズシフト(※9)」に対応していることです。
本体を動かさずに映像の位置だけを調整できるため、設置の自由度が格段に向上します。
さらに、画質を劣化させずにサイズ調整ができる光学ズームも備えています。
優れた自動補正
自動台形補正やオートフォーカスも非常に優秀です。部屋を移動させた際も一発で綺麗な長方形スクリーンに調整してくれるため、手動で追い込む手間がほとんどかかりません。
ただし、本機は超短焦点モデルではないため、投写距離には注意が必要です。
「Aladdin X2 Plus」と同じ位置に置いた場合、本機の方が投影サイズが一回り小さくなりました。
導入の際は、あらかじめ設置位置とスクリーンサイズの関係を確認しておくことをおすすめします。
(※9)レンズシフト: レンズを物理的に動かして、画質を落とさずに投写位置をスライドさせる機能。
音質と静音性:没入感を支えるバランス
スピーカーの特性
12W × 2のHarman/Kardonスピーカーは、中高音域をしっかりと鳴らし、クリアな音場感を提供してくれます。
ただ、今回のレビューの中で少し残念に感じたのが、音の出力面、特に低音域に関してです。
プロジェクター本体の大きさや、圧倒的な映像美から期待するインパクトに比べると、出力がやや控えめで、低音が少し物足りなく感じられました。
そのため、アクションゲームをプレイする際やライブ映像を視聴する際は、やや「シャカシャカ音」に感じた面もあります。
この点は、値段のことを考えると、もう少し頑張ってもらいたかったなと感じるのが正直な所です。
より迫力を求めるのであれば、外部スピーカーの併用も一つの手です。
際立つ静音性
音質で感じた物足りなさを補って余りあるのが、動作の静かさです。
高輝度なモデルはファンの音が気になりがちですが、本機は実際に動作させても非常に静かです。
映画の静かなシーンでも騒音はほとんど気にならず、快適に視聴に没頭することができました。
まとめ
XGIMI HORIZON 20は、ホームプロジェクターに求められる「画質」「設置性」を高い次元で維持しつつ、Proゆずりの「圧倒的な低遅延性能」を手の届きやすい価格帯で実現した一台です。
メリット
- 圧倒的な低遅延: ゲーム機との相性が抜群。テレビと変わらない感覚で操作可能
- 物理レンズシフト&光学ズーム: 画質を損なわずに映像位置を調整できる高い柔軟性
- 実用的な明るさ: 3200 ISOルーメンで、昼間でもカーテンを引けば十分に楽しめる
- 天井投影のしやすさ: 360度回転スタンドにより、設置が極めてスムーズ
- 静音設計: 高輝度モデルとは思えないほど動作音が静か
デメリット
- 低音のインパクト: 中高音は綺麗だが、重低音はもう少し厚みが欲しかった
- HDMI端子数: 2系統のみ。多くのデバイスを繋ぐには工夫が必要
特にその完成度は素晴らしく、映像からゲームまでこれ一台でカバーしたい人には大変おすすめの逸品です。
その上で、より日中で視聴することを重視する場合や、ゲーム「ガチ勢」の方はProまたはMaxも選択肢にいれることをおすすめします。
ゲームや映画を最高環境で楽しむための「標準モデル」として、HORIZON 20は非常に完成度の高い一台と言えます。
