Amazonのストリーミングデバイスとして新たにラインナップに加わった「Fire TV Stick 4K Select」。
4K解像度に対応しながら、これまでのモデルとは異なる新しいOSを搭載したことで注目を集めています。
本機を自宅の環境に導入し、セットアップから実際の動画視聴、そして操作感の変化についてじっくりと確認しました。
既存モデルユーザーが乗り換える価値はあるのか、あるいは初めての1台としてどうなのか。筆者が実際に使って感じたことを本音ベースで述べ、その良さや留意点をまとめます。
本記事は、アマゾンジャパン合同会社より製品を貸与いただき、記事執筆を行なっております。
セットアップと持ち運びのしやすさ
本機の大きな魅力は、なんといってもその「手軽さ」にあります。
同梱品の内容
箱を開けると、以下のアイテムが収められています。

- Fire TV Stick 4K Select 本体
- Alexa対応音声認識リモコン(2024年発売モデル)
- 単4電池 2本(リモコン用)
- 電源アダプタ
- USBケーブル(電源用)
- HDMI延長ケーブル
- スタートガイド
準備は「テレビにさすだけ」
使い始めるまでの手順は非常に簡単です。テレビの裏側などにあるHDMI端子に本体を差し込み、付属のケーブルをつないでコンセントから電源を取るだけで、画面の準備は整います。

あとは画面の指示通りにWi-Fiの設定やAmazonアカウントの入力を進めるだけで、ものの数分で視聴を開始できました。この「難しい設定がいらない」という点は、誰にとっても大きなメリットです。
スティック型であることの利点は、単に設置が楽なだけではありません。非常にコンパクトなので、筆者は出張や旅行の際にもカバンの隙間に忍ばせて持ち運んでいます。
電源端子がMicro USBである点は、今の時代、スマートフォンのUSB-Cケーブルと使い回しがしにくいという面で少し残念ではあります。

しかし、この小さな本体で4K映像をサクサク動かせるパワーを考えれば、専用のケーブルを1本持ち歩くくらいは許容範囲内というのが素直な感想です。
映像体験:4K HDRが描き出す鮮やかな世界
本機の最大の見どころは、やはり4K対応による映像の美しさです。
驚くほど滑らかで精細な描写
4K対応のテレビに接続してPrime Videoの対象作品を再生してみると、その差は一目瞭然でした。「UHD」や「HDR10+」と表示されるコンテンツでは、役者の表情の細かなシワや、背景の草木の一本一本までが、まるでそこにあるかのようにくっきりと見えます。

特に筆者が驚いたのは、映像の滑らかさです。2160p/60Hzという高リフレッシュレートに対応しているため、スポーツやアクション映画などの激しい動きでも、映像がカクつくことなく「ヌルヌル」とスムーズに動きます。
テレビ側の設定を確認しても、きちんと「2160p 60Hz HDR」で出力されており、性能に偽りがないことを実感しました。

また、メニュー画面の文字も非常に綺麗です。フォントの輪郭が滑らかなので、次に観る作品を探している最中も、画面が見やすくストレスを感じませんでした。
壁紙も綺麗に表示されます。

設定一つで変わる「映像の深み」
画質にこだわりたい方にぜひ試して頂きたいのが、設定画面にある「色深度」の調整です。
初期設定の8ビットから「12ビット」に変更してみたところ、色のグラデーションがより自然になり、映像にさらなる深みが加わったように感じました。

ただし、この設定を上げるとインターネット回線の負担も増えます。回線の速度が安定していないと再生が途中で止まってしまう可能性もあるため、注意してください。
新システム「Vega OS」の操作感はどう変わったか
今回の「4K Select」において、技術的に最も大きな変化と言えるのが、新しいシステム「Vega OS」の採用です。
これまでのモデルに搭載されていたFire OSとは中身が異なるのですが、これが使い心地に大きな影響を与えています。
ストレスを感じない「高速・滑らか」なレスポンス
筆者が実際に使って最も感動したのは、操作に対する反応の良さです。
これまでのFire TV Stickでは、リモコンを操作してから画面が動くまでに、わずかに重さを感じることがありました。しかし、このモデルは驚くほど軽快です。
メニューの切り替えや作品の読み込みが非常に速く、他社の高級なモデルや、これまでの上位機種であるFire TV Cubeなどと比べても、こちらのほうが速いのではないかと思えるほどでした。
この「サクサク感」があるだけで、毎日の動画選びが一段と楽しくなります。
アプリの対応状況には注意が必要
一方で、システムが新しくなったことで、少し気になる部分も出てきました。YouTubeやNetflix、Prime Videoといった主要なアプリは非常に快適に動きますが、一部のアプリでは挙動が少し違います。
また、これまでのFire TVで遊べていた「テトリス」などのAndroid系ゲームアプリは、現時点では本機では利用できません。Xboxのクラウドゲームについても「近日対応」とされており、今はまだすべての機能が揃っているわけではないようです。
とはいえ、映画やドラマを観るという目的においては、この操作の軽さは何物にも代えがたいメリットです。ゲームなどをメインに考えているのでなければ、新しいシステムの恩恵を十分に感じられるはずです。
Alexaによる操作と制限事項

Fire TVシリーズの代名詞とも言えるのが、リモコンに搭載された音声アシスタント「Alexa」です。
声だけで完結する操作の快適さ
テレビのリモコンで一文字ずつ文字を入力するのは非常に骨が折れる作業ですが、Alexaを使えばその苦労から解放されます。リモコンのボタンを押して「〇〇(作品名)を検索して」と話しかけるだけで、正確に結果を表示してくれます。
筆者はよく「30秒戻して」といった再生中の操作も声で行いますが、認識精度が非常に高く、ほとんど思い通りに動いてくれます。Amazon Echoシリーズと連携させれば、テレビに触れずにハンズフリーで操作することもできるため、スマートホームとしての使い勝手も抜群です。
「ホームシアター機能」が使えないという弱点
ただし、音響にこだわりがあるユーザーにとっては、見逃せない注意点があります。このモデルは、Amazon Echoスピーカーを外部スピーカーとしてつなぐ「Alexaホームシアター機能」に現時点では対応していません。
筆者も自宅でEcho Studioを使って迫力ある音を楽しみたい派なので、この機能が削られている点は少し残念に感じました。
もし、ワイヤレスで本格的なオーディオ環境を作りたいと考えているなら、若干お値段は上がりますが、上位モデルの「Fire TV Stick 4K Plus」や「Fire TV Stick 4K Max」を選んだほうが良いです。
7,980円という価格をどう評価するか
Fire TV Stick 4K Selectの価格は、税込で7,980円です。4Kモデルにしては安いですが、機能や性能とどう見るかがポイントとなります。
最初に比較表で整理します。
| 項目 | Fire TV Stick HD | Fire TV Stick 4K Select | Fire TV Stick 4K Plus | Fire TV Stick 4K Max | Fire TV Cube |
|---|---|---|---|---|---|
| 最大解像度 | 1080p (フルHD) | 2160p (4K Ultra HD) | 2160p (4K Ultra HD) | 2160p (4K Ultra HD) | 2160p (4K Ultra HD) |
| 映像 | HDR10、HDR10+、HLG | HDR10、HDR 10+、HLG | Dolby Vision、HDR10、HDR10+、HLG | Dolby Vision、HDR10、HDR10+、HLG | Dolby Vision、HDR10、HDR10+、HLG |
| オーディオ | Dolby Encoded オーディオのHDMIパススルー | Dolby Encoded オーディオのHDMIパススルー | Dolby Atmosオーディオ | Dolby Atmosオーディオ | Dolby Atmosオーディオ |
| 搭載OS | Fire OS | Vega OS | Fire OS | Fire OS | Fire OS |
| ストレージ | 8GB | 8GB | 8GB | 16GB | 16GB |
| Wi-Fi規格 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 + イーサネットポート内蔵 |
| アンビエントディスプレイ | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
| Alexaホームシアター | 対応 | 非対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 主な特徴 | 手頃な入門機 | 4K対応かつ操作が軽快 | 性能・価格のバランス | Fire TV Stick史上最もパワフル | ハンズフリーでの音声操作を実現 |
| 標準価格(税込) | 6,980円 | 7,980円 | 9,980円 | 12,980円 | 19,980円 |
実用性で選ぶなら、これで十分
上位モデルのMaxと比較すると、Wi-Fi 6Eに対応していなかったり、ストレージ容量が少なかったりと、カタログ上の数字では見劣りする部分もあります。しかし、実際に4K映像を観るという用途において、Wi-Fi 5(本機の規格)で困ることはまずありません。
「最新の通信規格にはこだわらないけれど、綺麗な映像をサクサクとした操作感で楽しみたい」という人にとって、本機は非常にバランスの良い選択肢です。
購入の決め手はどこにあるか
筆者は、この7,980円という価格は「操作の快適さ」に対して払う価値があるものだと感じました。安価な標準モデルを買って画質や操作感に物足りなさを感じるよりも、少しだけ予算を足してこの「4K Select」を選んだほうが、結果的な満足度は遥かに高いはずです。
まとめ
Amazon「Fire TV Stick 4K Select」を使い込んだ結論は、値段に対して「動画視聴という基本の使い勝手が良くなったコスパの良い一台」だということです。
4K HDRの映像美だけでなく、新しいシステムがもたらす軽快な操作レスポンスは、いわゆる「ヌルサク」で快適なものとなっています。
スティック型でどこへでも持ち出せる手軽さを維持しながら、4Kの美しい映像もしっかり楽しめる。一部の連携機能やゲームへの対応に制限はあるものの、それを差し引いても多くの人にとって「これが正解」と言える仕上がりになっていました。
筆者が本機をおすすめしたい人:
- 4Kテレビを持っていて、安くて良い再生デバイスを探している方
- リモコン操作の「サクサク感」にこだわりたい方
- 出張や旅行が多く、外出先でもいつもの動画を楽しみたい方
他のモデルを検討したほうが良い人:
- Echoスピーカーを使ってワイヤレスホームシアターを作りたい方
- Fire TVでゲームをたくさん遊びたい方
- 最新のWi-Fi 6E環境を使いたい方
以上です。
